| ユーロMANGAレポート(2) |
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| EUのMANGA市場はどうなる? |
フランスにおけるMANGA(日本製のコミック&アニメーション及びそれらを楽しむ文化)市場は、1978年「グレンダイザー」「キャンディキャンディ」「キャプテンハーロック」等シリーズのTV放映開始に「イノベーター」が飛びつき、一部「フォロワー」が現れて急激な伸長を示しMANGA市場が確立。ちょうど「ラガード的なリーダー」の認知・容認のタイミングにおいて、セゴレーヌ・ロワイヤル女史(後に国会議員)の「日本アニメは暴力シーンが多く低俗」「日本アニメを規制すべし」とのバッシング運動があり、MANGA市場拡大継続上大きな影を落とした。
その後、1986年制定の「通信の自由に関する法律」を修正する2000年制定の「視聴覚法」によって仏政府のテレビ局に対する放映規制、「原本がフランス語またはEUで制作された映画及び視聴覚作品(アニメ他)の放映義務と関連する諸制約がスタートし現在に至る。「EU製アニメ60%以上、内50%以上は仏製アニメとの番組編成規制(クウォーター制)」によりMANGAのTV放映は最盛時からすると激減。
TV市場はさておき、日本アニメ、コミック、日本文化の熱心なファン(MANGAおたく)によるJAPAN EXPOとかCARTOONIST、FORUMDESIMAGESといった日本フェア開催時のMANGA集中上映における人気、また、仏語版日本製コミック、MANGAビデオグラムの売場の売り場面積と活況を観ると、フランスのMANGAに対する一般評価は好転、やっと「マス」の認知・容認に至ったかとも思われ、MANGAは改めて仏アニメ市場から求められていると考えられる。
MANGA市場立上りより25年経過し、TV市場には上記の放映規制などを内容とする有名な仏政府の視聴覚産業支援政策(コンテンツ制作振興策)が大きく立ちはだかる。現在のMANGA市場は映画、ビデオグラム、コミック中心で、TV放映自体はどうなっていくのか。仏アニメ業界自体は規制と保護に守られ、仏製(EU製?)TVアニメに魅力は無く、MANGAファンにとっては関心の対象外とも写る。
仏の「コンテンツ制作振興策」は「EUの国境の無いTV法」へと適用圏の拡大が予想され、EUは本年5月1日、15カ国から25カ国に加盟国が増加する。MANGAのEU圏への拡がりを考える時、MANGA市場の「イノベーター」である「MANGAおたく」は強力なMANGAサポーターであり、彼らの生態を正しく捉えることによってMANGAビジネスのマーケティングプロモーション策が発想できるかもしれない。
今回は、MANGAおたくのなかでも熱狂的な「コスプレ」を取り上げその生態を報告する。 |
| (「仏西アニメーション市場視察報告書」より引用 開発推進部 廣田 新[現、企画調査部]) |
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| MANGAとフランスのコスプレ |
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| EJC 西山健二 |
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| コスプレ、コスプレイヤーとは |
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コスプレとは、日本のコミック、アニメ、ゲーム、Jポップ(ジャパンポップス)などのキャラクターと同じ衣装を着けMANGA関連のイベントに参加することで、その参加者達をコスプレイヤーと呼ぶ。コスプレも、その呼び方もそのまま日本から輸入されている。コスプレイヤーはマンガイベントの会場内で行われるコスプレコンクールへの参加やカラオケ大会(これもそのままの呼び方で定着している)、会場内をコスプレの衣装で散策、コスプレ仲間との談笑、写真撮り、買い物を楽しむ。
複数のイベンター、専門誌、コスプレイヤーなどへのインタビューから推測すると、フランス全土で約500名のコスプレイヤーがMANGA関連のイベントに参加している(全欧州では約2000人)。年齢的には19〜22歳を核に16歳〜25歳ほどの年齢層であり、男女比は、男性20%、女性80%で比較的男性コスプレイヤーが年齢層は上の傾向(4回の大型イベント会場での目視比率)。
フランスに於いてはちょうどMANGAのTV放映が始まった1998年頃から大きく増えており(それまでは全土でも50〜60人程度)、現在では、年齢層も幅が広がり、家族や子供達だけのコスプレイヤー(世話人は団体の親)、又40〜50歳代のコスプレイヤーもちらほら見受けられる。
現在、主だったフランス地方都市でMANGAイベントが行われて始めている(参加者数500〜1500人程度。主催は地元のMANGA同好会)。リヨン、マルセイユ、ツーロン、ニース、ナンシー、ストラスブルグ、レンヌ等々。コスプレイヤーが増えた主要因はこのイベント開催の増加と思われる。その中でも最大の規模が毎年、パリで行われているJAPAN
EXPO(参加者数4万人)。そこにはフランス全土からだけではなく、イタリア、ベルギー、スイス、ドイツなどからの参加者も徐々に増えている。EJCの調査ではJAPAN
EXPOが欧州最大規模である。 |
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コスプレの対象キャラクターは
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テレビアニメ、コミック(日本語版)、コミック(仏語版)と、フランスの社会に確実に「日本」を身近に感じられるMANGAが浸透する中、コア的ファンが育っている。彼らがインターネットやパリの日本書店でコミック、アニメ、ゲーム、Jポップ情報を得て、それが形になったものがコスプレである。そのため、情報が得やすい大都市からコスプレが発生している。
かような経過のもと、現在の処日本のキャラクターが殆どである。ディズニー(白雪姫など)やアメコミ(スパイダーマンなど)、欧米の映画のコスプレも僅かにいるが、「日本のMANGAやゲーム、Jポップは教育的な匂いがせず、アウトサイダー的で、現実から完全に遊離した世界が気に入っている」との意見が圧倒的に多い。コスプレの醍醐味は、日常の自分からできるだけ遠い異次元の世界に行ける、と感じられることがフアン心理のようだ。従って、BD(ベデ、フランス、ベルギーのコミック)の世界は現実に近すぎ、コスプレの対象にはなりえない。
コスプレの分野別ではコミック、アニメ系が70%、ゲーム系が25%、Jポップ系が5%。コスプレで多く見かけるのは、コミック、アニメ関連ではドラゴンボールZ、セーラームーン、ちょびっツなど。ゲーム関係ではファイナルファンタジー、ストリートファイターなど。Jポップ関係ではマリスミゼル、X
japan、L'arc-en-ciel、モーニング娘。など。 |
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| 日仏コスプレイヤーの意識と環境の違い |
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フランスに限らずEU全体に言える事だが、宗教関係や地元の祭りで子供の頃から学校や公共の場でのデギゼ(仏語で仮装や化粧をするの意)に慣れ親しんでいる。伝承的な神や悪魔、妖精などの代わりにMANGAのキャラクターにデギゼするとの意識のため、実は、特別な「おたく」行為ではなく皆で一緒に楽しむという意識が底辺にある。
日本とフランス(EU全域を含む)のコスプレイヤーの大きな違いは、日本では「決め型」の静止ポーズをとってのカメラ撮影が主な表現だが、フランスでは動きを伴うコンクールやカラオケ大会が主な表現方法である。カラオケ大会(オリジナルの日本語で歌うと会場は大いに盛り上がる)や扮するキャラクターの象徴的動作、寸劇などをして競い合う。因みにカラオケでよく歌われるのは、キャッツアイ、宇宙戦艦ヤマト、エヴァンゲリオン、ドラゴンボールZ、モーニング娘。など。
コスプレ衣装店は欧州ではまだ一軒もなく、全てのコスプレイヤーは、自分で布地やアクセサリーを選び、購入し、裁縫をしてコスプレ衣装を作っている。 |
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| フランスのコスプレイヤーの対日本文化感 |
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扮するキャラクターを決める主な理由は、「衣装の好み、キャラクターの性格」が多いが、2〜3年のコスプレ歴を経ると徐々にそのキャラクターの文化的背景やその時代の環境を知りたくなり、段々と日本文化、歴史、生活に興味をもちだす傾向が見られる。
また実際の若い日本人の日常生活形態にも大変興味をもっており、東京の渋谷、原宿、新宿などの街の様子や、そこでの生活環境などがフランスのMANGA関連専門誌でも頻繁に紹介されている。「かわいい」「コギャル」などの言葉もそのまま紹介され、その使い方や意味する物も丁寧に解説されている。これらは、日本のMANGAを通じ異質の文化の紹介であり、底流には軽い憧れの匂いがする。この流れの牽引役を実はコスプレが担っているのだ。 |
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| フランスのコスプレイヤーの平均像 |
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| EJCでの60名への聞き取り調査によるコスプレイヤー平均的イメージは |
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1着の衣装関係にかける経費:120 EURO(約15000円) |
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保有している衣装数:5〜6着 |
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コスプレ歴:2〜3年 |
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コスプレネームを付けている人:80% |
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コスプレをする意味は:趣味・レジャー |
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コスプレを始めたきっかけ:子供の頃から仮装が好き、会場でコスプレイヤーを見て |
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コスプレをやってよかったこと:
友達が増えた、メディアに取材された、人見知りの性格が治った、夢の世界がもてる |
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コスプレをやって嫌だったこと:コンクールで優劣を決められること、コスプレ自体をからかわれた。 |
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日本のイメージ:桜、黒髪、切れ長の目、忙しそうな仕事、絹の着物など |
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日本に行くとしたら何をしたい:
街並みを見たい、日本文化を肌で感じ吸収したい、露天フロに入りたい、着物を着たい、面白い便利商品を買いたいなど |
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| コスプレイヤーの日本への想い |
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コスプレイヤーの日本へ行きたいとの希望者は多い。雑誌やインターネットでの情報では満足せず、自分の肌で感じたいとの希望である。
参考までに、当EJCで2003年の12月に日本マンガツアーを企画したが、16名の申込みで止まり、最低遂行人数に至らなかったため、2004年2月に再度企画をしている。ツアー費用は990ユーロ(約12万円)で、パリ〜東京の往復航空券と6泊のホテル込みの格安料金(滞在期間の延長希望が多いため延泊可能という条件)。この企画実行で判ったことは、 |
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MANGAフアンがツアー参加に出せる額は10万円強が限度であること(若年層が殆どで収入が高くないため)。 |
| 2) |
日本に行って文化や暮らしに直接接したいとの希望があるが、具体的な日本情報をほとんどもっていない(パリを始めEU各国での日本情報の入手は難しい。特にMANGAファン市場への日本の情報発信は無いに等しい)。
具体的に感じた事は、黄熱病の注射は不要か?どれくらいの飛行時間?通貨単位は?などと、行きたい国でしかも生活習慣を詳しく知っている事に照らし合わせると、現実的な知識がすっぽりと抜けている。 |
| 3) |
特にフランス人は、自国に来る外国人はフランス語を喋るのが当然と考える傾向があるが、海外ではフランス語が通じないと異常に意識しており、個人の好みを主張する割には、日本ではフランス語での現地サポートを強く必要としている。 |
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| フランスのMANGAフアンを日本へ呼び込むには |
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基本条件は低価格料金、仏語でのサポート、滞在期間は10日前後。付帯条件として、日本のMANGAファンとの交流、マンガ関連商品のショッピング案内。2〜3度のツアー実施と、彼らの仲間の滞日情報の公開や滞日風景の掲示をすることによって「自分」と「日本」の距離感が仲間の写真や情報から現実の渡日感に巧くスライドすると思われる。
所謂、生け花、歌舞伎、古都といった古典的日本マニアでもない、全く新しい日本観光の市場がMANGAによって創造される可能性は高く、憧れの地「日本に行きたい」との希望があることは疑いの余地はない。また、この市場はマンガやアニメ、ゲームの伸びに伴って現在も伸び続けている。更に、渡日体験者の増加がEUでのMANGAの伸びにも還元されるものと考えている。 |
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幽遊白書
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神秘の世界エルハザード
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ラグナロクの魔法使い
(1997年のJAPAN EXPOにて) |
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ストリートファイター2
「チャンリー」 |
うる星やつら
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ファイナルファンタジー
「ユウナ」 |
(2002年7月JAPAN EXPOにて) |
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ウテナ(2002年10月 カルトニストにて)
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ステージのフィナーレ
(2002年11月 PARSI BDにて)
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ドラゴンボール「サタン」
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おじゃ魔女ドレミ
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カードキャプチャーさくら
(2003年7月 JAPAN EXPOにて) |
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