DCAjシンポジウム
 
 
 
P2Pコミュニケーションの可能性と法的課題
−コンテンツ産業はP2Pといかに向き合うべきか−
 
概 要  日 程  参加費  お申込み 
 
※定員になりましたので、受付を終了いたします。
 
【開催趣旨】
 1990年代後半に勃興したPeer to Peer(P2P)コミュニケーションの本質は、情報のブローカ(仲介者)が情報の中身や送受信に実質的に関与しないことにあります。従来の情報通信をブローカ・モデルとすると、P2Pはその対極にあるブローカレス・モデルの情報通信と位置付けることができます。一般にP2Pと言う場合、ISPが情報の所在情報等を提供し、送受信そのものはPeer同士(end to end)で行われるモデルが含まれますが、このモデルは両者の中間モデルと見做し得ます。
 さて、P2P=ブローカレス・モデルは、ブローカ・モデルと比してコストが割安、ユーザの自由度が高いといった利点を有しており、喧伝されるユビキタス社会に必須のアーキテクチャとして大きな期待が寄せられています。しかし、手軽に自由に情報をやりとりすることができる環境は、同時に、違法又は有害情報の温床でもあり得ます。著作権侵害情報、猥褻画像、漏洩したトレードシークレットや個人情報等が、ひとたびP2P環境におかれた場合、深刻な事態に陥るであろうことは想像に難くありません。
実際、P2Pとコンテンツ産業との間には大きな軋轢が生じ、幾つもの著作権関連訴訟が起こりました。Napster事件、Grokster事件、日本ファイルローグ事件、KaZaA事件、全米レコード工業会(RIAA)によるP2Pファイル交換ソフトユーザを相手取った訴訟、Winny利用者及び開発者事件など、国内外の紛争事例は枚挙に暇がありません。
 しかし、こうした紛争や確定した幾つかの司法判断をもってしても、軋轢は解消されていません。RIAAは依然としてユーザを相手取った訴訟を続けています。2004年11月と12月には、日本レコード協会(RIAJ)に所属する企業数社が、ISP責任制限法ガイドラインに基づき、ISPに対し、無断で音楽ファイルを交換している疑いのある者に関する情報の開示請求を行ったとの報道がありました。現時点において、問題の根幹に機能する適切な解が用意されたとは言いがたい状況にあります。
 平成16年度デジタルコンテンツ協会は、「デジタルコンテンツをめぐる法的課題に関する調査研究」(日本自転車振興会補助事業)を実施し、P2Pをめぐる諸問題に関する調査研究に注力してまいりました。本シンポジウムは、本研究における1年間の研究成果を広く公表するとともに、いまなお議論の余地のある様々な論点に対する意見交換を通し解決策を探るものであります。
 
【プログラム】
13:00−13:30  受付
13:30−13:50  開会
13:50−14:20  第1部「P2Pの可能性と違法有害情報への対応」
○星合隆成 NTTネットワークサービスシステム研究所 主幹研究員
○鈴木正朝 ニフティ株式会社情報セキュリティ推進室 課長
14:20−15:50  第2部「P2Pとコンテンツ産業」
○上村圭介 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 講師
○戸叶司武郎 ヤマハ法務・知的財産部音楽著作権マネジャー
○小関知彦 凸版印刷法務本部法務部 部長
○田中辰雄 慶応大学経済学部 助教授
○井藤好克 松下電器産業AVコア技術開発センター 主任技師
○石新智規 ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士
15:50−16:10  コーヒー休憩
16:10−17:40  第3部「パネルディスカッション」
≪モデレータ≫
○大橋正春 岡崎・大橋・前田法律事務所 弁護士
≪パネリスト(50音順)≫
○上野達弘 立教大学法学部 助教授
○小川憲久 紀尾井坂法律事務所 弁護士
○城山康文 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士
○椙山敬士 虎ノ門南法律事務所 弁護士
○鈴木正朝 ニフティ株式会社情報セキュリティ推進室 課長
○星合隆成 NTTネットワークサービスシステム研究所 主幹研究員
○宮下佳之 あさひ狛法律事務所 弁護士
17:40  閉会
(※講師及び演題は変更される場合がございます。)
【概要】
第1部「P2Pの可能性と違法有害情報への対応」
P2Pの理念と可能性: ブローカ・モデル、中間モデル、ブローカレス・モデル(P2P)という三つの情報通信モデルについて、それぞれの長所と短所を比較します。また、とくにP2Pの理念と可能性について解説します。
P2Pコミュニケーションにおける違法又は有害情報への対応: 三つのモデルについて、違法又は有害情報に対しどのような対処が可能であるかを整理します。とくにP2Pの場合における対処の困難性や、自力救済に関わる問題点にも言及します。
第2部「P2Pとコンテンツ産業」
P2Pファイル交換技術の変遷とコンテンツ産業との軋轢: 著作権制度をビジネスの法的基盤とするコンテンツ産業との軋轢を深いものにしたP2Pファイル交換技術の変遷(「仲介型(Napster型)⇒非仲介型(Gnutella型)⇒匿名性指向型(Freenet型やWinny型)」を解説します。また、こうした技術の変遷が著作権者によるエンフォースメントにどのような影響を与えたかを明らかにします。
コンテンツ産業の見解: わが国で実施されたP2Pソフト利用状況調査の結果を紹介します。また、音楽及び映像コンテンツ産業が抱く、P2Pに対する見解(依然として残る不信感、積極的ビジネス活用の模索)をまとめます。
国内外の主要著作権判例等の解説: 国内外における主要判例及び係争中の事件を類型化(例えば、ユーザの責任、ユーザの氏名開示請求、ソフト提供者の責任、ソフト開発者の責任)し、それらの判旨や論点を明らかにします。
P2Pファイル交換の経済学 :現時点においてP2Pファイル交換が活発に行われている音楽コンテンツ(CD音源)を事例として、P2Pファイル交換がCDの売上げに与える影響を経済学の立場から分析します。
コンテンツ・ビジネスへの利用例とDRM: P2P技術とDRMを結合して行われるコンテンツ流通ビジネスの事例紹介と、そこに用いられているDRMの要素技術(電子透かし、電子指紋等)を解説します。
欧米における最新の議論: 米国で様々な議論を巻き起こしている二つの法案(「Induce Act」、「Piracy Deterrence and Education Act of 2004(PDEA)」)、並びに、 EU指令をインプリメントしたドイツ著作権制度におけるP2P及びDRM関連箇所を解説します。合わせて、当該分野の欧米研究者の見解を紹介します。
第3部「パネルディスカッション」
上記を踏まえ、問題解決に向けた自由討議を行います。皆様からいただく質問票は、議論の中で適宜取り上げます。
 
タイトル P2Pコミュニケーションの可能性と法的課題
−コンテンツ産業はP2Pといかに向き合うべきか−

 
日 時
2005年3月7日(月) : 13:30−17:40
  (13:00受付開始)
会 場 ルポール麹町(麹町会館)2階 「ロイヤルクリスタルの間」
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-3 (地図)
 
主 催 財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj)
 
後 援 財団法人インターネット協会  情報ネットワーク法学会
財団法人ソフトウェア情報センター  社団法人著作権情報センター
著作権法学会 早稲田大学21世紀COE総合研究所知的財産法制研究センター
 
参加費
DCAjの法人会員(正会員、情報会員)  無 料
DCAjの個人会員  3,000
後援団体の会員  5,000
一般(いずれの会員でもない方) 10,000

 DCAj会員種別(正会員/情報会員)はこちらでお確かめ下さい

定 員 150名 (先着順に受け付け、満席となり次第締め切らせていただきます。)
 
【ご来場者の特典】
 (1) 報告書の送付: 当日のご来場者に限り、シンポジウムにおける講演及び議論をとりまとめた報告書を後送いたします。お申し込みをなされても、当日ご欠席の場合には報告書をお送りすることができませんので、ご了承ください。
 (2) 質問票の提出: 当日のご入場の際、質問票を受け付けます。質問票は記名でも匿名でも結構です。質問1テーマにつき400字以内でおまとめください。A4サイズの用紙をお使いください。皆様にご提出いただいた質問票は、パネルディスカッションまでにDCAj事務局内で整理し、可能な限り議論の中で取り上げます。
 
お申し込み要領
 (1) 「DCAjシンポジウム申込みフオーム」に、必要事項をご記入のうえご送信ください。
 (2) 受付完了のメールを返信いたします。当日はこのメールが参加票となります。プリントアウトして受付までご持参ください。
 (3) 代理参加も可能です。申し込まれた方のご都合が悪い場合は、代理の方に「参加票となるメール」をお預けください。
 
参加費のお支払い
 (1) 参加費は当日の受付でお支払いください。
(なるべく、お釣りが出ないよう、お支払い願います)
 (2) 領収書のあて先等についてのご希望は、申し込みフォームでご指示ください。当日受付でのご要請には対応しかねます。
 
お問い合わせ先 :
  (財)デジタルコンテンツ協会
    企画調査部  山本純
    TEL: 03-3512-3901  FAX: 03-3512-3908
    E-mail: yamamoto@dcaj.or.jp
 
お申込みはこちらから  
 
 
 
【シンポジウムの基盤となる研究会活動】
 財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj)は、平成16年度日本自転車振興会補助事業「デジタルコンテンツをめぐる法的課題に関する調査研究」を実施いたしました。実施にあたっては、DCAj内に、産・官・学・法曹の各界有識者からなる「デジタルコンテ技術の法的評価に関する研究委員会」を設置し、本研究会を母体といたしました。
 この度のシンポジウムは、本研究委員会における1年間の調査研究の研究成果を広く公表するとともに、いまなお議論の余地のある様々な論点に対する意見交換を通し解決策を探るものであります。
本研究会には、シンポジウムの議論の論点を立てる役割にとどまらず、実質的に実行委員会の役割を担っていただきました。
 
〔デジタルコンテンツ関連技術の法的評価に関する研究委員会〕
 
委員長: 大橋 正春 岡崎・大橋・前田法律事務所 弁護士
委 員: 浅田 伸 プログレッシブピクチャーズ株式会社 プロデューサー/デジタルシネマ・スーパーバイザー
委 員: 井藤 好克 松下電器産業株式会社 AVコア技術開発センター コンテンツセキュリティグループ 主任技師
委 員: 上野 達弘 立教大学法学部 助教授
委 員: 大塚 祐也 ソニー株式会社 経営プラットフォーム 知的財産センター 知的財産企画管理部 シニアパテントマネージャー
委 員: 小川 憲久 紀尾井坂法律事務所 弁護士
委 員: 上村 圭介 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 講師
委 員: 小関 知彦 凸版印刷株式会社 法務本部法務部 部長
委 員: 城山 康文 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士
委 員: 新保 史生 筑波大学図書館情報学系 助教授
委 員: 椙山 敬士 虎ノ門南法律事務所 弁護士
委 員: 田中 辰雄 慶応大学経済学部 助教授
委 員: 戸叶 司武郎 ヤマハ株式会社 法務・知的財産部 音楽著作権マネジャー
委 員: 宮下 佳之 あさひ狛法律事務所 弁護士
委 員: 山下 博之 独立行政法人科学技術振興機構 科学技術振興調整費業務室 プログラム主管
講 師: 石新 智規 ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士
講 師: 鈴木 正朝 ニフティ株式会社 情報セキュリティ推進室 課長
講 師: 星合 隆成 NTTネットワークサービスシステム研究所 主幹研究員
オブザーバ: 松下 香苗 経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 課長補佐
オブザーバ: 川口 和宏 株式会社電通法務部
 
   
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