コンテンツベンチャーQ&A


1.有望なコンテンツビジネスの構築手法について
Q1 21世紀に入り、メディアとコンテンツの制作・流通・市場はどのように変化しているのでしょうか?

 ‘90年代までのメディアといえば、TV、ラジオなどの放送に新聞、雑誌を加えたマスメディアと、映画、ビデオ、音楽CD、図書など趣味のメディアが中心でした。’90年代以降は、これにゲーム、PCソフト、DVDなどのデジタルパッケージと、インターネット、モバイルなどのネットワークメディアが加わり、大きく変化しています。
 TV、ラジオ、ビデオ、DVD、PCソフト、ゲーム、インターネット、モバイル、音楽CD、新聞、雑誌、図書などのエンドユーザー売上と、スポンサー企業の広告売上をすべて加えると12〜3兆円程度となり、メディア産業の市場としてとらえることができます。このうちコンテンツの産業規模は、メディアによる流通部分をのぞいた金額ということになりますが、それぞれのメディアごとに流通部分に相当する金額の占める割合はまちまちで、明らかにされていないものも多くあります。例えば映画では劇場売上の半分を劇場収入とし、残りが配給会社の収入となります。さらにそこから広告費やプリント代を引いて、配給会社をはじめとする出資社が原資を回収した残りが制作費に回されるといわれています。このようにこれまで、コンテンツ産業はメディア産業に従属し、その制作部分を担う機能として扱われてきました。
 しかし、デジタル化、ネットワーク化によりメディアが多様化し、放送通信融合などの規制緩和も進む中で、コンテンツ産業は将来の成長産業として期待されています。このためには、メディア産業の制作下請けとしてのコンテンツ産業ではなく、メディアを流通、コンテンツを商品としてとらえて、自らビジネスを立ち上げるコンテンツ産業であることが求められています。
Q2 コンテンツビジネスはどのようなニーズやシーズをもとに成り立つのでしょうか?

 現状のコンテンツ制作者にとっては、メディア企業からの受注によりコンテンツを制作するという機会が、最も多いと考えられます。しかし一方、自らのキャラクターやシナリオをシーズとして、これを作品化するために資金集めをしているコンテンツ制作者も数多くいます。
 このようなビジネスの発注のニーズやシーズを整理すると次のように分類されます。
1) 自らのキャラクターやシナリオなどのシーズを売り込んでビジネス化するケース
2) メディア産業のコンテンツニーズに対応し、コンテンツ制作を受注するケース
3) スポンサー企業の広告、販促ニーズに対応し、企業向けコンテンツ制作を受注するケース
4) 公共の広報・公共サービスニーズに対応し、公共コンテンツ制作を受注するケース
 またコンテンツニーズに対応するコンテンツのジャンルを分類すると次のようになります。
A) エンターテイメント・・・映画、ゲーム、ドラマ、音楽といったコンテンツの企画をシーズとしてエンドユーザーに提供するコンテンツで、メディア企業への売り込みやインディーズからメジャーへの道も比較的オープンな分野。
B) 情報サービス・・・TVの情報番組、雑誌の情報記事、インターネットの情報サービスなどがこれにあたるが、メディア企業がコンテンツの権利を持ってコンテンツ制作を発注するケースが多く、コンテンツのみを自立したビジネスとして商品化した事例は少ない。
C) 報道・・・特に専門的なスキルを要するコンテンツだが、メディア企業が人材ごと抱え込んで事業化しているケースが多く、コンテンツのみ独立したビジネスとして行うことが困難な分野。
D) 広告・販売・・・TVのCM、通販番組、インターネットの企業サイト、コマースサイトなどがこれにあたる。スポンサー企業は広告代理店やメディア企業にコンテンツの流通と制作を一体で発注することが多いが、コンテンツ制作者が権利を持つコンテンツを広告・販売コンテンツとして利用するコンテンツスポンサーという考え方も普及しはじめている。
 以上のようなコンテンツのシーズとニーズをとらえたビジネス化のプロセスを考えることが必要とされています。
Q3 コンテンツをビジネス化するための企画・プレゼテーションとは?

 メディア企業がコンテンツの方向性、ビジネスのしくみを決定し、そのもとで受注するコンテンツ制作の場合、コンテンツの企画・プレゼテーションは、いかに安く良質のコンテンツを制作するか、そのための演出は、という点に限られていました。
 しかしコンテンツ制作者が自らコンテンツのシーズをビジネス化し、メディア企業、スポンサー企業のニーズに応え、出資者等も得てビジネスモデルを作り上げようとする時には、ビジネスのしくみそのものを企画・プレゼテーションすることが必要となります。
 こうした場合、メディア企業、スポンサー企業、出資者、それぞれ異なる立場に事業参画や出資を依頼するプレゼテーションとなるため、オリジナルの企画をもとに、それぞれに向けたプレゼテーション資料を作成します。
 ここでは、コンテンツ制作者自らが行う制作・販売とそのリスク・リターンの目論見、プレゼテーションの相手に行ってほしいこととそのリスク・リターンの目論見を明らかにすることが必要です。また、著作権の保持者や、活用の主体を明確にすることも求められます。
 また、こうしたプレゼテーションであっても、もちろんコンテンツの質や演出のポイントが評価の基本となりますから、デモ版など目で見えるコンテンツのプレゼテーションも有効なのは言うまでもありません。


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