コンテンツベンチャーQ&A


3.コンテンツビジネスの体制と人材・スキル
Q11 プロデューサーの役割とは?

 日本のメディアやコンテンツの業界では、製作(事業)プロデューサーと制作(ライン)プロデューサーをあまり区分しておらず、さらにメディアやコンテンツの分野ごとに期待する役割がまちまちなので、プロデューサーという言葉は大変あいまいです。
 しかし、自ら制作するコンテンツを商品化し、多メディアに対して流通するビジネスの責任者をこれからのコンテンツビジネスプロデューサーと考えるならば、次のような機能が求められることになります。
 まず、ビジネスモデルの構築のための、メディアやコンテンツのマーケティング力、コンテンツやビジネスのコンセプトの構築力、それに企画、プレゼテーション、営業、資金調達の機能です。
 次に制作プロデュースやプロジェクトマネジメントの機能として、収支管理、権利・契約管理、人材管理、スケジュール管理、制作技術・環境管理が求められます。
 また、制作した後の販売・回収においての、価格のマネジメント、プロモーション、回収・利益配分の機能も重要です。
Q12 ディレクターの役割とは?

 映画監督、図書、雑誌の編集者など、分野によっては呼び方が異なっていますが、コンテンツ制作のディレクターは、コンテンツの構成・演出を指示し、映像、画像、サウンド、テキストなどのコンテンツ素案を取りまとめる役割を果たします。
 しかし、テレビ番組のディレクター、ゲーム、音楽のディレクター、インターネットサイトやモバイルサイトのディレクターなど、メディアコンテンツ分野ごとに求められるスキルは異なり、分野横断的なノウハウの共有化が図られておらず、一般の人々からその役割が想像しにくい仕事でもあります。
 そのような現状に対し、今後、デジタルコンテンツを多メディアで流通するビジネスが増加していくに従い、多メディアコンテンツに対応したノウハウを持つディレクターが求められることになります。
 そうしたディレクターには次のような機能が求められるでしょう。
 まず、コンテンツの企画段階において、メディアやコンテンツの分析力、クリエイターやエンジニアのキャスティングやスタッフ管理の能力、制作のスケジュールや予算を計画する能力、企画書やプロトタイプを制作しプレゼンテーションする能力が求められます。
 また、制作の場においては、インタラクティブなコンテンツの構成・演出・編集の能力と、映像・画像・サウンド・テキスト・プログラミングを統括する表現技術、制作のための技術・環境の運用の能力、メディアに対応したパッケージ化・フォーマット化の能力が求められます。

Q13 コンテンツ制作に必要なクリエイターとは?

 コンテンツを制作する体制と必要な人材は、映画、テレビ番組、インターネットやモバイルサイト、ゲーム、音楽、図書・雑誌・新聞などのメディア分野により大きく異なるのが現状ですが、これらの制作に携わる様々なスキルを持つ人々を全て含めてクリエイターと呼んでいます。
 しかし、メディアコンテンツのデジタル化、ネットワーク化が進むとともに、制作体制も変化し、今後は映像、画像、サウンド、プログラミング、テキストの各専門のクリエイターが協働する体制が、スタンダードなコンテンツ制作プロジェクトとなるものと考えられます。
 映像に関するクリエイターでは、フィルム・VTR・デジタルなどの実写撮影、編集に関るクリエイターと、CGアニメーションやインタラクティブCGアニメーションに関るクリエイターがいます。
 画像に関るクリエイターとしては、2DCGイラストやデジタルデザイナーがあります。
 サウンドに関るクリエイターとしては、音楽、音響効果、ナレーションに関るクリエイターと、これをまとめるMAのクリエイターがいます。
 プログラミングに関るのは、個々の表現に関るプログラマと、コンテンツ全体のインタラクティヴな構成を実現するプログラマです。
 また、テキストに関しては、構成、シナリオから画面上のテキストまで、ディレクターの指示によりライター、作家などが関わります。
 以上のようなクリエイターが関わることで一つのコンテンツが完成します。
Q14 プロジェクト型のコンテンツビジネスとは?

 映画、TV番組、インターネットやモバイルのサイト、ゲーム、音楽などの各メディアコンテンツ分野の制作体制を調査すると、これらの制作を一つの企業の中で行っている例はきわめて稀であり、通常はプロデューサー、ディレクター、クリエイターなどが多くの企業から、また、個人として参加して成り立つ、プロジェクト型の制作を行っていることが分かりました。
 しかし、多くのプロジェクトの場合、コンテンツ制作はメディア企業からの受注により、下請け的に制作のみを担うプロジェクトとして編成されることが多いようです。この場合、コンテンツビジネスの主体はメディア企業が担い、元請企業が制作プロデューサーの役割を担い、そのまた下に企業や個人のディレクターやクリエイターが人件費や成果物売渡しの条件によって発注を受ける形となっています。こうした形は、コンテンツ制作プロジェクトと呼ぶことができます。
 一方、今後はコンテンツ制作者自身がコンテンツビジネスを主体的に担っていくケースも増加していくと思われます。この場合、プロジェクト内に事業プロデューサーを置き、マーケティング・プロモーションや販売管理のスタッフも含めた、コンテンツビジネスプロジェクトを形成することが望まれます。


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