| 福岡: |
週刊アスキー元編集長の福岡です。
私がやっている雑誌というものはコンテンツではないのですね、情報を加工した媒体であって、そこには編集という行為が存在するだけなのですが、今日のパネラーのお二人はまさしくコンテンツを生み出している方々です。
今日のお題のコンテンツベンチャーというのはなんかオカネが無いという響きがあります。そこで、今日のパネルは私なりに解釈させていただき、「クリエイティブと金儲け」という非常に俗なテーマで一時間ほどお付き合いいただきたいと思います。
かつてバッハやモーツアルトなどの音楽家は王室や宮廷のスポンサードを受けていました。演劇の世界ではいわゆる勧進興行という役者とか演出家に負担がかからないような仕組みがあって、映画においてはご存知のようにハリウッドに代表される巨大なシステムがあります。これはいずれもお金を集めて次のものを作るためにお金を投下させてくれるという非常に効率的な仕組みなのです。
ところが日本においては長い間クリエイティブとお金の問題というのはちょっと違う状況でした。制作者からはこのような動きが「商業主義的である」と批判される時期があった。「武士は食わねど高楊枝」みたいなね。まずはディスカッションの前にお二人からプレゼンテーションを受けたいと思います。 |
| 栢: |
シグナルトークの栢です。ゲーム業界で長く働いているのですが、最近ゲーム業界がやばいなと思っております。特に2〜3年前のイメージとしてはこのままゲーム業界は無くなってしまうのではないかと思うぐらい売上がどんどん落ち込んでしまい、ピンチだなあと。
原因として、続編主義というか同じものばっかり作る。そして、お客さんが飽きる。ゲームが売れない。売れないから売れそうなものを作るしかない。で続編ばっかり作る。というダメなループにはまり込んでしまっている。開発費が高くなってきて、今は大きなものでは50億円くらいかかる。もう自社だけでは開発費を負担できない。だから売れそうなものだけ作りましょうってことになったのですが、それでほんとにいいの?と。で、自分で会社を作ったのです。
結論から行きますと、株式会社の仕組みそのものがコンテンツ制作には向いていないのじゃないか、プロジェクトファイナンスの形だとうまく回るのではないかという仮説を立ててチャレンジをやっています。これはプロジェクトごとに資金を集め、儲けを投資家とスタッフで分配しようというものです。ゲームが儲かっても会社、シグナルトークは全く儲からない仕組みになっています。会社は世に出るためのブランドであったり枠組みであったりの単なる箱でしかない。本当は会社もいらないくらいなのです。プロジェクトだけがあるような状態が理想なのですけれども、日本の場合そういうわけにもいきませんので、会社は作りました。
ただ、本当に箱でしかなくて、この言い方が一番わかりやすいと思うのですが今回のプロジェクトファイナンスには5000万円くらいのお金を集めているのですけれども、会社は資本金100ドルですのでおよそ1万円ですね。会社には1万円しかなくて、プロジェクトに5000万円あるような状態で運営しています。 |
| 福岡: |
日本には本社は無いんですよね。 |
| 栢: |
そうですアメリカに本社を置きまして日本に登記するかたちです。
面倒な話はこのへんにしておきまして、実際に何を作ったのか。「Maru-Jan」という麻雀ゲームを第一弾で自社ブランド出しました。シグナルトークプレゼンツというのが第一の特徴です。 |
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(スクリーン上に「Maru-Jan」の画面) |
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麻雀ゲームって世の中に山のようにあるわけですが、私自身が麻雀好きということもあって、見た目を含めて、究極と言われるものを作ってみようじゃないかと考えました。
見た目もそうなのですけれど、キーボードのキーのひとつひとつが牌に対応していまして、手触りみたいなものも楽しめるようになっています。あとは、人と人が遊んでいる感覚を大事にしようと、くだらないことですけど牌を強く捨てたり弱く捨てたりもできるようにしています。無駄なようですけれども、こういう機能をきちっといれることによって人と人がやっている感じを出そうとしているのです。見た目の部分とか光と影の部分とかも自前のエンジンで作っています。 |
| 福岡: |
麻雀牌、ものすごくリアルですよね。 |
| 栢: |
これは写真のように見えますけれどもデザイナーが一個一個手書きしたものです。 |
| 星: |
テクスチャーも手書きしたのですか。すごいですね。 |
| 福岡: |
点棒の音もリアルですね。 |
| 栢: |
そうですね。音もしっかり表現していこうということで、点棒の音だけでも30種類くらいあります。 |
| 福岡: |
ファイナンスなんですけれども、何社くらいからお申し出があったんですか。 |
| 栢: |
一番初めは本当に誰も出してくれなくて貧乏な時代が一年くらい続いたのですけど。そのあと20社くらいの個人投資家さんであったり、法人さんだったりから出資いただいたのです。 |
| 福岡: |
5000万円ですよね。栢さん今おいくつですか?29歳。会社作られたのが2年前ですから27歳の時のお金集めってことですよね。ぼくが27歳の頃はマルイのカードでキャッシングは10万円が限度だった。27歳でよく5000万っていう金額が。 |
| 栢: |
よっぽどコネがあったのかってよく言われるのですけれど、そうではなく誰に言ったら出資してくれるかっていうことがわからなくて、いろんな交流会から始まって、いわゆる個人投資家さんなど本当にいろんな方、1年間で800人くらいにお会いしました。
出資していただけたケースってのはわらしべ長者じゃないですけど10人目くらいのご紹介の果てです。誰かにプレゼンテーションする。その方が「栢くんが言っていることは面白い、でも今うちの会社じゃ出せないね。でもあの人を紹介するよ」と。このパターンですね |
| 福岡: |
なるほどねえ。 |
| 栢: |
わらしべ長者のずうっと藁の気持ちですね。 |
| 福岡: |
その結実がね。 |
| 栢: |
そういうことで4月に発売できましてやっとビジネスベースにも乗りました。 |
| 福岡: |
続いて星さんのプレゼンテーション。本日は大変邪悪な映像を持って来ていただいたということで。 |
| 星: |
ぼくは一応株式会社の取締役をやってるって事にはなっているのですけど、経営は全部人任せにしまっていて自分はオカネには全くタッチしていないので、こういうところに来ていいのかってのがあるのですけど。ぼくが映像を作り始めたのは10年位前ですね。短編のショートムービーみたいなのを手がけていたのですけれども。98年に週刊アスキーの「アートで食えるか?」という連載をやっていたのです。 |
| 福岡: |
アートでは食えないですよね。で、貧乏なクリエイターがいるんでちょっといじってみようかって、そんな連載でした。 |
| 星: |
実際アートでは難しいのですが、まあエンターティメントで食っていってるっていう感じですね。今はCMですとかミュージックビデオとか番組・映像全般的に手がけているのですけど。まずぼくの作風を知ってもらうということで、ちょっと古いものからオリジナル作品ダイジェストを…。 |
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(「回路100KB」上映) |
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これが第13回マルチメディアグランプリ1998新しい才能の部で「金の翼賞」をいただいたものです。これが評価されたっていうのがぼくはちょっと不思議でした。 |
| 福岡: |
今思うと審査員もよく思い切りましたね。 |
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(「業」上映) |
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| 星: |
これは全編実写の作品なのですけど、うちの親父が、父が主演男優としてお坊さんの格好で出ているのです。 |
| 福岡: |
あれはおとうさんですか。おとうさんお坊さんなんですか? |
| 星: |
お坊さんではないのですけど、お坊さん役として息子の願いを聞いたということで、空撮もありの秋葉原上空です。 |
| 福岡: |
おとうさん大変ですね。ちゃんと育てないとこうなるんだって。 |
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(「イッヒェンと.世界一愛らしい妹ウッヒェン」・「Yong-Pack」・「カラーバー」上映) |
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| 星: |
ま、こういう感じですね。
なので、なんとなくオーラで繋がるかもしれないんですけど、これで金にはならない。まあ、ライフワークとして作っている。 |
| 福岡: |
続いてCM集。 |
| 星: |
そうですね。活動を続けてようやく5、6年ぐらい前からCM作ってみないかという勇気あるクライアントさんが現れ始めまして、でいろいろとCMを作らしてもらっているのですけど、まあ近い作風といえば作風… |
| 福岡: |
あのオリジナルを見てCMを作らないかとお誘いがあったんですよね。どういうクライアントさんなんでしょうかねえ。 |
| 星: |
まあなんか「変わったことやりたい」って言う…。 |
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(宝島社CM黒丸シリーズ「花火篇」上映) |
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| 福岡: |
宝島さんならわかるな。 |
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(UCCブラック無糖「スタッフロール篇」上映) |
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| 星: |
これはタレントを出さない。パッケージだけでCMできないかっていう発想です。 |
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(UCCブラック無糖「サークル篇」上映) |
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これもそうなのですけど。これはシリーズで、もう5年目くらいになります。 |
| 福岡: |
やっと仕事をしてるってのがわかりましたね。 |
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(ロッテキシリトールガム+2ピンクミント「わたしのどこが好き?篇」上映) |
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| 星: |
これはもう深キョンに会いたかったんですよ。 |
| 福岡: |
そんだけ? |
| 星: |
そう。それだけなんです。浜辺で走らせてみたかったんです。 |
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(ハドソン天外魔境ディザーCM「JIPNAG篇」・ボボボーボ・ボーボボ奥義87.5爆裂鼻毛真拳「毛がボーボー篇」上映) |
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これなんかは「回路100KB」でやっていることです。 |
| 福岡: |
だんだんはまりますねえ。 |
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(ハドソン ボボボーボ・ボーボボ商品3タイトル「ノーズアクション篇」上映) |
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| 星: |
これももう言いたい事は鼻毛だけです。好評発毛中。自由にやらせていただいています。 |
| 福岡: |
ありがとうございました。
早速ここからディスカッションを進めさせていただきます。栢さん先ほど、1年で800人に会われたということですけど、1日に換算すると3人ぐらいに会っているのですよね。 |
| 栢: |
多いときはほんとに1日20人とかお会いしたりとか、会わない日もありますので平均すると3人ぐらいに会ってます。 |
| 福岡: |
でも、最初からそんなに結果が出るもんじゃないですよね。 |
| 栢: |
単純に5000万円集めなきゃっていうそれだけだったのです。
今の星さんの映像を拝見していると、こういった見るものがあれば、スポンサー探しが容易になるツールとしていいなと思いました。 |
| 福岡: |
じゃあ栢さん。最初は企画書を作って持って回ったんですね。 |
| 栢: |
そうですね、A4、20枚くらいの事業計画書を元に。その頃は、紙しかないわけですからほんとに詐欺みたいなものですよね。それで儲かりますからお金出してくださいと言っても、「なに言うてるんです?」みたいなものです。 |
| 福岡: |
A4、20枚で5000万集められるのですからすごいですよね。 |
| 栢: |
実際に最初の1000万くらいまでは本当に大変だったのです。「50万円ぐらいだったら出してもいいよ」ってな人が、だんだん増えてきて、合計1000万ぐらい集まったところで、ちょっとだけですが今のゲームに近い映像が出来ました。その段階であと4000万が急に集まりましたので、見た目というか、映像によるプレゼンツールが非常に重要だなあと思いました。 |
| 福岡: |
お二人にお聞きしたいのですけれど、企画の時の基本的スタンスってどの辺においておられるのですか?お金のスタンスは? |
| 栢: |
自分が作りたいものはものすごくたくさんあるのですけれど、その中に商業的にはこれは無理だろうっていうのが当然入っていまして、そのバランスですね。
商業的なフィールドと自分のクリエイティブを発揮する部分の重なり具合といいますか、重なるポイントはほんとに針の穴みたいなものでして、そこをさがして行くのが大変。 |
| 星: |
ぼくの場合、企画だったら「今ぼくがやりたいのはこれです」ってかたちで。そこから出して行きますね。で、心配してくれる人がいまして、そのかたが商品に寄せて行く。ブレーキをかけてくれている。 |
| 福岡: |
その人が全部マネジメントも… |
| 星: |
そうですね。ウチの会社の代表なのですけど。彼との出会いはそれこそ10年以上前なのですけど。 |
| 福岡: |
それは何でしょう、宮崎駿さんに対する鈴木さんみたいな… |
| 星: |
なれたらいいですね。それを本当に核にしようとしているのですけど。 |
| 福岡: |
いい人見つけましたね。なかなかそういうプロデューサーみたいな人が根付かないというか、いないことが日本のクリエイティブの問題だという風に言われていますね。 |
| 栢: |
ゲーム業界でも開発の現場にいれば自然とディレクターになって、偉くなってプロデューサーになっていく人もいるのですけれど、働いている場所がずっと開発の中だけの人の場合、外とのバランスが取れてなかったりするのです。
資金集めから最後のビジネスになるところまでの絵を書ける力はゲーム業界の開発室で仕事をしている限り身につかない。 |
| 福岡: |
どうなのですか星さん。プロデューサーというかマネジメントやっているかた。まず、プロデューサーになりたいってかたがいない。 |
| 星: |
そうですね。作るほうが楽しいっていうイメージがあるのですよね。でも実際はプロデューサーも相当楽しい面がある。どの映像でも最後はプロデューサーが決められる。やっぱりお金を持ってきているし、ディレクターには現場の権利しかない。最終的な編集の権利とかはプロデューサーが。 |
| 福岡: |
さっきCM見たけど、どっから見ても星さんが全面展開しているっていう風に見えますよ。 |
| 星: |
あれはプロデューサーがブレーキを踏まなかったパターン。 |
| 福岡: |
踏まないとああなる。 |
| 星: |
ここは敢えて生かしておけ、みたいな。 |
| 福岡: |
いいプロデューサーだね。それはね。珍しいですよね。 |
| 星: |
そういう人と出会いがあったからいいものの…。まあ、いっしょに育って行きましょうという事で。ぼくはディレクター。 |
| 福岡: |
そのプロデューサーのモチベーションってどこにあるのでしょう? |
| 星: |
やっぱり最後は映画を作ろうってのが。 |
| 福岡: |
大エンターティメント作品。星とならできるんじゃないか。まさか“伴!”って言いませんよね。 |
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| 福岡: |
ヒロ・ヤマガタさんっていう有名な方がいらっしゃって、その作品は皆さんも思い浮かべることができると思うのですが、ご本人に聞いてみると「僕はあんなことはやりたくない。でもあれは儲かるからやっている」一方で、それで稼いだオカネで南の国で大きなクリスタルを作ろうということをやってらっしゃる。
そこでね、クリエイターが自らのクリエイティブのために稼ぐってのは、クリエイティブでは無い仕事だってあると思うのですが。これどうなのでしょうね?不幸せなのでしょうかね。それともハッピーなのでしょうかね? |
| 栢: |
クリエイティブは内容とかディティールに表れると思いますし、商業的なものとは両立可能だと思っています。実際、今手がけている作品もクリエイティブな部分と、ちゃんと儲かりますよと言う部分とが両立している。これで次の作品にもおカネをつぎ込めるし、また、スタッフのモチベーションにもつながる。別にお金のために働いているわけではないのですが、ゲームがヒットしてマンションが買えて奥さんと喜んだりとかそういう面も重要だと思ってます。 |
| 福岡: |
先ほど、1年で800人に会われて、ちゃんと5000万円集めたということを聞くと、甘くは無いけれども日本のファイナンスはそれほど捨てたものでは無いぞと思いましたね。 |
| 栢: |
君はがんばっているみたいなので、まあ応援するよ」というような、日本人的ファイナンスと言ったら変ですけれども、そういう面も多かったと思います。それは初めてだからそういうことになるのですが、ちゃんと仕組みとして認知されていけばと思います。私の理想形はそこにありまして、お金が集まったものを作るということです。おカネが集まるということは事業性があると判断されたということですから。さっき星さんがおっしゃったけど、一番やりたいものを企画書で出しておく。そこにお金が集まって。集まらなかったものは、お金が無いから作れないという形でリスクヘッジしつつ、創りたいものをつくり、なおかつ儲かったら「スタッフには配分多いですよ」ということであれば独立したいなって言う人も増えてくると思うのです。 |
| 福岡: |
やっぱり才能に投資するって言うことですよね。おそらく出資する側からすると、才能に出資するという仕組みがもっとあればと思うのですけどね。今はプロデューサーの腕力であったり、栢さんの自身の腕力であったりするのですけどそれが何か仕組みとして、インフラとしてあればもうちょっと日本のコンテンツシーンは変わるのではないかなと思ったりするのですけどね。 |
| 栢: |
そうですね、仕組みとしてやられているところも1、2社あるのですが。もっと増えてこないかと。いちいち私のようにやっているとすごく効率が悪いですよね。その会社に行けばそういうことを一通りやってもらえるところがあれば制作に専念できます。シグナルトークでもそういうことを今後やろうと思っていまして、クリエイターさんも企画書を持ちこんできています。私たちがパイプになってプロジェクトファイナンスを他にも立ち上げようと考えています。 |
| 福岡: |
星さんいかがですか? ファイナンスというかお金集めというか… |
| 星: |
あ、そう、そうですね。 |
| 福岡: |
あんまり考えてないでしょ? 聞いてました? 今の話。 |
| 星: |
すいませんほんとにその辺は任していて。すいません。 |
| 福岡: |
なるほどね。 |
| 星: |
すいません。ほんとに。 |
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| 福岡: |
最後におふたりからこの先のご予定などを。まずは星さんから。 |
| 星: |
これから長い尺の映画とかを手がけていきたいと思っています。来年ぐらいからモロモロのプロジェクトをスタートさせたいなと思っています。今日は名前だけでも覚えてほしいなと。 |
| 福岡: |
いいのですか。お金集めなくていいのですか? |
| 星: |
そうそう、この星の映画が見たいと思われる方はぜひ後で名刺交換させていただきたい。 |
| 福岡: |
それでは栢さん。 |
| 栢: |
アイデアはあるけどお金が無いクリエイターが、新しいものを作って、自分の名前で世に出て、ちゃんとしたモノ作りを、夢を持ってやれるような仕組みを作っていきたいなと。そのためのひとつの手段がプロジェクトファイナンスです。
私自身は平和をテーマにしたものを作って行きたいと思っています。昔作ったチューチューロケットというゲーム。アメリカと日本をオンラインで結んで、そこで夜な夜な大人も子供も混じってチャットやったりしているのですよ。「サンキュー」とか「勝ったねえ」とか言いながら。その時ふと思ったのです。「アメリカとは50年前本気で殺し合いしていたのに」。そう考えた時、実はすごいことだなと思った。いわゆるコミュニケーションツールとして外国の人とコミュニケーションが取れる状態ですね。今中国とか北朝鮮とかいろんな問題がありますけど圧倒的にコミュニケーション不足だと思っています。娯楽って、映画でも音楽でも何でもいいのですけど、コミュニケーションのきっかけになると思っているのです。ゲーム、特にオンラインゲームは密なコミュニケーションが取れるようになっていると思います。そういったものをきっかけにして私はゲームで戦争が防げると本気で思っています。そういったことをチャレンジするような作品をやっていきたいと思っています。 |
| 福岡: |
お時間もきたようなのでこのへんでまとめさせていただきます。お金の問題の決着のつけ方っていうのは、お二人それぞれのやり方、星さんは明らかにひと任せっていうのがよくわかったのですが、そのプロデューサーを見つけて口説いているのがたいしたものだと思っています。
お金の問題というのはコンテンツ制作に携わる以上は避けて通れないと思うのですが、その方法としては、プロデューサーを見つける。あるいは自力で稼ぐ。商業的なフィールドで勝負する。色々あるのですけど、おそらくそれぞれに問題点があって、プロデューサーの部分は人材の不足ですね。これはデジタルハリウッドさんがクリエイターの養成講座とかをやってらっしゃいますが、そういった形でこれは教育問題におきかえられるのかなあと。自力で稼ぐってのはちょっとエレガントさには欠けるのですがきっと独立生産者としてはこのスタイルもこの先ありなのだろう、そういうフィールドで暮らせるだろう。で、商業的フィールドで勝負するってのはきっとマーケティングとクリエイティブのバランスですよね。さっき栢さんがおっしゃった。この折り合いみたいな部分。これをどんなふうにこの先やっていくのかなあと。
せっかくですからアスキーから出た本を紹介させていただきます。「2010年コンテンツ産業に必要な8つの要件d-commerce宣言」日本工学アカデミー・日本学術会議編(ASCII
BOOKS)この中で安田先生という東大の先生ですが、インターネットや携帯などのネットワークインフラをベースとしたコンテンツビジネスの新しいモデルがこの先必ず登場するだろう、と予見されています。今はお金を出してコンテンツを買うというオンデマンドのモデルくらいしかないのですけれども、それ以外のいくつかのコンテンツとコンテンツクリエイターのビジネスモデルが登場するのだということを予見されています。
おそらく21世紀のコンテンツビジネスというのは多分、今その緒についたばかりだと思うのです。これからどんなコンテンツのビジネスモデルが登場するのか。ぼくはおそらく栢さんや星さんなどのようにクリエイターのバリューがあがってゆくことで、そこで何か新しい価値が生まれてお金の問題が解決してゆくのかなあってディスカッションを通じて感じました。
そんなわけでこれからのコンテンツシーンにぜひご期待いただきたいと思います。 |