ベンチャー応援団


伊藤 淳子
(いとう じゅんこ)

株式会社エイガアル代表取締役社長
e-mail:junco@a-girl.co.jp

<経歴>
1988年株式会社エイガアル設立。漫画家寺沢武一のデジタル作品を各種メディア・プロデュース するほか、日本初の女性サイト開設(95年)やW-SOHO(97年)など女性分野のメディア開発で先鞭を切っている。CG漫画「BAT」のオンライン連載(96年)、PDAコミック展開(2001年)などに続き、ブロードバンドの展開も進行中。情報処理学会、日本マルチメディア協会、IEEE会員。
   
 技術の進歩に伴い、人々の生活は便利になっている。おまけに、神様がただひとつ平等に与えてくれていたはずの「24時間」という「1日」でさえ、パソコンやインターネットによって、何倍もの密度の時間として過ごすことができるようになった。それはマクルーハン的に言えば、「高密度なメディア」がいくつも登場している時代になったということだ。
 言うまでもないが、過去の単純なメディアにおいては、作品といえば作家個人から創造されていた。ところが複合メディアとしてのコンテンツでは、個人の企画やセンスをバックアップしてより高めるプロジェクト・チームの技が必要になってくる。もちろんワンマンバンド(ひとり)で制作することも可能であるのがデジタルのよさだが、新しいメディア作品の多くはコラボレーションによって創られる場合も多く、ひとつの作品に多くの人の手がかかわるということは利益率も下がるということでもある。インターネットで収益モデルが見えなかったものが、ブロードバンドになったために急に儲かるとは到底思えないが、だからこそ、成功するコンテンツについて考えていかなくてはいけないと思う。
 私は最近、若い人たちよりも「経験ある中年」たちに注目している。私の周囲でも、活躍している人たちは皆、40代、昭和30年代だ。「ベンチャー」という言葉に惑わされず、自分のこれまでの経験を活かして新しい産業を創るおじさん、おばさんが、もっともっと輩出することを期待している。


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