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DCAJ news No.124
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「日中アニメ映画産業発展フォーラム」レポート「コンテンツビジネスが国境を越える」近年、コンテンツ産業分野の発展が著しい中国と、コミックやアニメの国際展開に期待をかける日本とのあいだに、アニメ・映画ビジネスにおける確かな協力関係を築こうという趣旨のもとで開催された日中アニメ・映画産業発展フォーラム。今後の日中共同事業開発を展望したシンポジウムをはじめ、公開記者会見、レセプションの模様をレポートする。
『日中アニメ・映画産業発展フォーラム』

[ 開催概要 ]

【日時】 2006年3月11日(土)
【会場】 中国・北京市 崑崙 (Kunlun)飯店
【主催】 財団法人デジタルコンテンツ協会/中国電影集団公司
【後援】 経済産業省/中国国家広播電影電視総局
【協力】 中影動画産業有限公司/北京電影学院動画学院/北京中映創意文化伝媒有限公司/SINA(新浪公司)

本フォーラムの目的は、日本と中国がアニメ・映画ビジネスにおいてより積極的で強固な協力関係を築くことにある。このフォーラムを通じて、日中両国のさらなるコンテンツ産業発展につなげたいと考える。


本フォーラムでは、コンテンツ関連の政府関係者による日中政府間会合をはじめ、日本アニメ史上初の中国劇場公開となった映画『銀色の髪のアギト』を軸として、日中共同事業開発のあり方について最新の現状と今後の可能性を展望するシンポジウム、『銀色の髪のアギト』の特別編集版上映、コスプレ・イベント等を行なうと共に、『銀色の髪のアギト』主演声優の宮崎あおい氏、制作スタッフ等による公開記者会見を開催した。


シンポジウム
シンポジウム

シンポジウムは、北京市内にある崑崙飯店のFunction Hallで開催された。小雪のちらつく氷点下の寒い日であったが、事前に用意した150名のイスが開始前に満員となり、50席程度イスを追加したが、それでも立ち見が出るほどの盛況振りであった。

中国側からはテレビ局や新聞雑誌などのメディア関係者が多数訪れ、日本からもテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」等が取材に訪れた。

主催者を代表して、日本側から経済産業省江崎大臣官房審議官、デジタルコンテンツ協会角田専務理事、中国側から中影動画の黄軍総経理、電影合作制片公司の喇培康総経理より挨拶があった。

黄軍総経理は、中国のアニメ産業を子供向けでなく、大人にも子供にも受け入れられるような方向に発展させたいとし、喇培康総経理は、インターネットを通じて制作したアニメキャラクターを通じて業務範囲を広げていくとした。

挨拶の後にシンポジウムが開催された。中国側からは、広播電影電視総局の張丕民電影事業管理局副局長より中国のアニメ産業の状況や政府の施策、および中日のアニメ産業における合作の重要性について講演いただいた。また韓三平中国電影集団総経理より、中日アニメ・映画合作の可能性について講演いただいた。

日本側からは、ギャガ・コミュニケーションズの依田会長より「中日およびアジアの映像コンテンツ産業の現状と将来の展望について」パワーポイントを使用して講演いただいた。また株式会社ゴンゾの梶田社長より「何故コンテンツビジネスが国境を超えられるのか?」というテーマで、パワーポイントおよびDVDによる最新作の映像を駆使して講演いただいた。

依田会長は、現在多くの中国製コンテンツが日本で上映されるようになってきている現状について述べ、ギャガが製作・配給した作品を紹介した。 

中日およびアジアの映像コンテンツ産業の将来には、日本や中国をはじめとするアジア諸国がそれぞれの人材、資金、技術などのリソースを活用して、アジア全体としてのメディア産業の活性化を図ることが重要であると語った。

また、2005年に第1回が開催された「アジアコンテンツ産業セミナー」において、各国の映画関連サイトやコンテンツ関連情報・統計データをリンクした「アジアコンテンツ情報ネットワーク」を可能な限り早期に設立するために努力支援することに合意したことを紹介し、その具体例として日本のNPO法人である映像産業振興機構(VIPO)による「コンテンツポータルサイト」の構想を説明した。

梶田社長は、ゴンゾのアニメの特徴としてデジタルの最先端技術を取り入れていることによる、革新的な映像が評価されていると説明し、「LAST EXILE」、「巌窟王」、および日本初のハイビジョンによるテレビシリーズのアニメーションである「SAMURAI7」といった作品をDVD上映で紹介した。

制作費を集めるためのコンテンツファンドとコンテンツの両輪が回転することで、市場規模が大きくなるとし、プロデューサーは、文化を商品にする役割を担っており、付加価値を大きくする務めがあると語った。

コンテンツビジネスが国境を越えるためには「言語の壁」「人種の壁」「地域的風土・歴史の壁」をクリアする必要があるが、プロデュースの本質的な部分に国境は無いとし、プロデューサーが「事業のコーディネーション」「クリエイティブの刺激」「アグリゲーションレイヤーの開拓」をすることが重要であると述べた。

「銀色の髪のアギト」を配給した理由については、「アジア人同士は感性が近い」ことと「中国のエンターテインメント産業が急速に発展している」ことが挙げられ、この作品を単に映画ではなくデジタルコンテンツとして捕らえ、映画だけでなく関連した事業を中国で展開したいという意気込みを語った。

講演の最後には、ゴンゾが今年ワーナーブラザーズの協力を得て世界配給を予定している、宮部みゆき原作の「ブレイブストーリー」の予告編を紹介し、ゴンゾが今後も積極的に海外進出を考えていることが伺えた。

シンポジウムの終わりに、上記参加者を中心として写真撮影を行った。


上映会・記者会見
上映会・記者会見

シンポジウムの終了後、会場をConference Hallに移して上映会並びに記者会見が開催された。会場は、300名が入れるシアター形式のホール。来場者はシンポジウムと同様200名程度で、引き続き多くのメディア関係者が訪れた。

上映会では、「銀色の髪のアギト」を中国電影集団公司が今回のフォーラム向けに20分のダイジェスト版として特別編集したものを上映し、これが中国語版「銀色の髪のアギト」初の公開上映となった。

上映会終了後、中国側より、黄軍総経理、喇培康総経理、中国電影集団公司の姜涛総会計師、また、日本側より梶田社長、アギトのキャラクターデザインを手がけたデザイナーの緒方剛志さん、声優初挑戦となった女優の宮崎あおいさんが壇上に上がり、インタビューが行われた。


レセプション
レセプション

記者会見終了後、会場をシンポジウムの会場であったFunction Hallに再び移してレセプションが行われた。

レセプション会場では、「銀色の髪のアギト」の中国版主題歌を歌うMilkcoffeeQさんによるミニライブ、日本および中国のコスプレイヤーの方々によるコスプレパフォーマンス、中国民族歌舞団の方々によるダンスパフォーマンス等が披露された。演技が佳境に入ると多くの参加者の目が舞台に惹きつけられ、演技終了後は惜しみ無い拍手が贈られた。


まとめ

梶田社長が語るように、国際合作や共同展開に当たっては、言語、文化、また法制度や政策等、国と国との間に大きな壁が立ちはだかる。今回のフォーラムの企画・運営ひとつとっても、同じ目的に向かって進みながら簡単には行かない現状があった。しかし、一歩を踏み出さなければ、トライしてみなければ、何も始まらない。その意味で、今回「銀色の髪のアギト」が日本アニメとして初めて中国全土で劇場公開されるに至ったことは大変画期的であり、関係者が何度も壁にぶち当たり、その度に解決に至る日が来るのだろうかと疑問を抱きつつも根気よく足を運び、お互い顔を見ながら着実に協議を重ねていったであろうことは想像に難くない。これを契機として、日本と中国のアニメ・映画産業における共同事業が次々に展開し、何より成功事例が生まれることを望む。高い壁をひとつずつクリアしていくために、本フォーラムのようなイベント開催によるきっかけ作りや、情報収集・公開等、当協会が出来ることを少しずつ積み上げていきたい。


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