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米国ラスベガスで開催されるNAB(The National Association of Broadcasters)は、世界最大のメディアに関するコンベンションである。今年の参加者は105,046人を数え、その4分の1は海外からである。出展社数も1,440社を越え、昨年の実績でも304億ドル以上の取引が、この場で行なわれている。放送、映像業界におけるビジネスの場としての実績と、多くの海外参加者を招き入れる国際的なコンベンションが、日進月歩のテクノロジーの進化を取り込み、産業を変革して行く大きな力となっている状況をこのNABで感じる。
昨年、David K. Rehr氏が、NAB新会長に就任した。その基調演説では、新しいNABへの変革を明確に示した。
「技術革新により変化している業界を直視し、今までNABが取ってきた守りの姿勢から、攻めの組織に変えて行く。」と宣言し、未来に向けて直ぐに取り組むべき課題を提示した。その中で、「新しく登場する全ての技術、全ての新しいプラットフォームの上に、我々の持っている力を展開することに未来がある。」として、デジタル技術や通信ネットワークのブロードバンド化により変容するケーブルテレビ、衛星放送、電話・通信業界などとの競争を促進させるとしている。デジタルテレビジョンへの完全移行が2009年に迫り、放送事業者も自らの業界を守るだけではなく、ケーブルテレビやインターネットTV(IPTV)、モバイルTV(MoTV)など、新しいメディアとの協調、競争に積極的に出て行く姿勢を示した。
今、NABの機器展示は、HDTV関連システムが中心となっている。この中でNABの招請により、ハイビジョン16画面分の解像度を有する「Ultra High-Definition TV」(スーパーハイビジョン)が、400インチのスクリーンと22.2チャンネルの音響システムにより、会場内特設シアターで展示上映された。アメリカでの取材映像も含んだスーパーハイビジョンソフトは、まさに3D(立体)映像を見ている様な感覚を覚えるとの反響も聞かれた。この「Ultra High-Definition TV」が示したものは、技術者たちの20年後の世界を目指す新しい技術開発への挑戦であり、かって世界に向けてHDTVの普及促進にエネルギーを燃やした日本の放送業界の活躍が重なって見える。コンベンション参加者には、次を夢見る人たちが多い。HDTVが完成に向かう中でのスーパーハイビジョンが示した「未来」への挑戦に、少なからず共感を持ったと思う。
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