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DCAJ news No.128
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国内レポート:DCAJの事業成果を2つの学会で発表:当協会(DCAJ)では、近年、デジタルコンテンツに関する感性面での研究を推し進めている。今回は、2006年秋に2つの学会で発表された事業成果と将来展望をご紹介。
DCAJの事業成果を2つの学会で発表

DCAJは、我が国の21世紀における新しい産業の方向性として、従来の機能性を追及してきた工業生産・サービスの世界から、人間を大切にするとした側面に焦点を当てて、日常生活に潤いある社会環境を現出することが求められていると考えています。DCAJでは、近年デジタルコンテンツにおける感性的側面から、潤いある社会環境を目指す研究を展開してきました。本研究事業の一つは、日本自転車振興会の補助金を受けて行い、日本感性工学会「第8回日本感性工学会大会2006」での発表、2つ目の研究事業は、日本機械工業連合会の委託を受けて実施した研究を含めた「映像情報メディア学会」での発表を紹介します。
2件の研究事業に共通する背景として、コンテンツ産業は、デジタル技術を駆使し、高度に発達した情報技術として発展し続けていることを踏まえて、今回2つの学会で発表した研究成果の共通するキーワードに「リッチコンテンツ」を掲げました。コンテンツの制作、流通、利活用で、高齢化社会を迎える時代に貢献するコンテンツの果すべき役割を論ずる中で、コンテンツの持っている感性面からの研究と、デジタルコンテンツの将来展望について発表しました。

●日本感性工学会

1.第8回日本感性工学会大会

開催時期: 平成18年9月13日〜15日
場所: 早稲田大学井深記念講堂
表題: 「感性が拓くデジタルコンテンツの期待と展望」
−感性コンテンツで潤いある心豊かな環境創造−
 
「感性が拓くデジタルコンテンツの期待と展望」
感性コンテンツで潤いある心豊かな環境創造

2.感性の考察(情報と感性)

情報を受ける感性としては、個人レベルの5感(視覚、聴覚、味覚、触覚、臭覚)に対する意識(感覚、理性)と感受性のベクトル和として論じています。情報を伝える感性は、伝える情報に感性要素を植えつける感性創造の世界としました。感性創造は、T(Target)P(Position)C(Concept)として、情報の感性的要素の意味づけをすることになります。

3.日本自転車振興会の補助事業

平成14年から16年の3年間に亘り、「感性コンテンツに関する調査研究事業委員会」を立ち上げました。

3−1.平成14年度「新しい概念:感性コンテンツに関する調査と将来動向の考察」

感性コンテンツの定義・感性コンテンツの社会的意義と展開の考察・コンテンツ表示環境における感性的評価の研究内容の紹介です。

3−2.平成15年度「新しい概念:感性コンテンツにおける感性増幅に関する調査研究と将来への期待」

感性増幅として、コンテンツ制作における視聴者の感性満足度を高めるための制作者による表現力の増幅で、各業界分野(テレビジョン、携帯電話、等)におけるサービス面と感性を共振させるビデオゲーム、高画質・高臨場感を加味して表現される感性増幅について研究を紹介しています。

3−3.平成16年度「感性的観点に基づく、コンテンツ評価方法とコンテンツ表示環境に関する調査研究」

各産業分野(テレビ、携帯電話、ゲーム、音響、モバイル端末)におけるコンテンツの感性的評価についての研究の紹介と、感性訴求要因の及ぼす感性コンテンツ評価研究の紹介です。

4.デジタルシネマの標準技術に関する研究

2004年から2006年の3年間で、文部科学省科学技術振興調整費事業として取り組まれた研究事業で、映像クリエーターの意図する色彩表現とデジタル画質が正しく再現させる為の「ものさし」が必要で、標準映像として「CoSME/Color Space Management Evaluation Material」を作成した内容について紹介しています。

●映像情報メディア学会

1.映像情報メディア学会技術報告

開催時期: 平成18年10月30日
場所: 北海道大学工学部
表題: 「我が国のデジタルコンテンツの将来展望」
 
「我が国のデジタルコンテンツの将来展望」

2.高質感映像

リッチコンテンツの方向性として、自然視画像の実現で、リアリティーの追求に繋がるテーマとし、画像の質感として、高画素、光沢、色再現、深み(奥行感)、艶、気候(温度、湿度)等が感じられる映像表現を総評して高質感映像として定義しました。

2−1.高画素

次期高画素へのチャレンジとしてNHKは、スーパーHDとして、現行HDの16倍の画素(7680×4320)を提唱されていまして、次世代映像として高画素化は着実に進展していくことが報じられています。

2−2.多原色色空間

映像の色空間は、色度図上のR.G.B.を結ぶ3角形の範囲内が色再現範囲とされ各メディアごとのR.G.B.ポイントが規定されてきました。このRGBの面積を実質的に拡大することになればそれだけ自然視色再現に近づくことになります。今回は、その方向性を研究してきた「ナチュラルビジョン高色再現映像システムの開発」を引用することとしました

2−3.その他の高質感映像要素

画像の視覚視野とアスペクト比により臨場感の伴う画像が提供されます。更にフレームレート、明るさ、ダイナミックレンジ、サンプルレート、ビット深度、ガンマ特性等総合的な技術要素の進展に期待したいと論じました。

3.3D(立体視)映像

人間は、両眼視差(約6.5cm)により、立体的(遠近感)に物を見ることが出来ます。これは、左目と右目で見えている映像を脳の中で合成する段階で立体視覚となって現れる事になります。物や景色を見たときに立体的に見えることは極自然なことなので、映像表現の中では、その実用化と産業化を図る必要性を論じました。

4.人にやさしいコンテンツ

21世紀は、人口減少(少子化)と高齢化率の増大が確実に進展する事を踏まえて、高齢者の増大に伴う、コンテンツ環境から見た取り組みや、コンテンツ関連機器でのインターフェースに係わるユニバーサルデザインの重要性を併せて論ずることで、デジタルコンテンツの将来展望としました。

5.人にやさしい事業委員会

平成15年〜16年度にかけて、(社)日本機械工業連合会からの委託事業として「人にやさしいデジタル映像情報機器に関する調査研究」事業を展開しました。
本事業では、高齢者や障がい者に対するコンテンツ及び機器について「人にやさしい」をテーマとした調査・研究をした結果について紹介しました。

●2つの学会のまとめとして

2011年には、放送分野において完全デジタル化が到来することから、コンテンツ分野においても、デジタル化に伴う新しい潮流が生れてくると予想されます。
今年2つの学会で発表した研究事業の成果としては、21世紀を展望して、高齢化が進展することを前提にすることと、デジタルにおける画像表現の意味づけを多様な視点から考察した結果を纏めることにしました。とりわけ高齢者に対しては、豊かな社会生活をコンテンツの面から享受できる環境を目指すための方向性を示すことが出来たと考えます。これからのコンテンツ環境作りのキーワードとしては、「感性」「高質感」
「3D(立体視)」「人にやさしい」が取り上げられます。総論として、「人にやさしいリッチコンテンツ」の実現に向けた社会的要請に応える必要性を論ずる内容としました

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