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| 【韓国文化コンテンツ振興院院長 徐 炳文氏】 |
◆文化コンテンツ産業発展の契機
2001年、コンテンツ産業育成の目的で韓国政府が韓国文化コンテンツ振興院を設立した。当時サムソングループで通信とコンテンツ関連の業務に携わっていた私は、振興院設立を担当することになり、大変稀なケースであるが企業から政府側に移って初代文化コンテンツ振興院長となった。
2000年代になってコンテンツ産業がスポットライトを浴び始めるが、これは80年代、90年代のソフトウェア産業や情報通信の発達がベースになっており、それが無ければコンテンツ産業は伝統的な大衆文化の域を出なかったといえる。そして21世紀は、文化産業が経済を牛耳る時代である。
◆コンテンツを取り巻く急激な環境変化
現在使っている「文化コンテンツ産業」という言葉は、文化コンテンツ振興院設立時に作った言葉。アニメーション、キャラクター、音楽、公演、放送、映画、ゲーム、漫画、モバイルコンテンツ、エデュテイメント等が含まれる。もともとアナログであったものがデジタル化によりデジタルコンテンツになり、今後のユビキタス社会においてはユビキタスコンテンツと呼ぶようになるかも知れない。技術の発展に合わせ、コンテンツも環境に応じて変化していく。
メディアとコンテンツを取り巻く環境変化の勢いはすさまじくブロードバンド化、そして3Gから4Gの時代へ移行しつつある。今はコンバージェンスの時代でもある。電話、インターネット、放送、全てが融合しユビキタス社会が到来し、コンテンツ業界が技術の発展にどう対応していくか、ということが大きな課題である。
◆国際競争力を持つ産業としての発展
世界のサービス産業が急成長する中、かつて韓国のサービス産業は、運輸、物流、ホテル、金融等、どれも国際競争力がなかった。しかし、5年前にコンテンツ産業を集中的に育成し始めてから、「韓流」として対外的な競争力を持つまでに成長した。韓国の文化コンテンツ産業は、この5年間で8.6%の成長を遂げている。韓国の雇用状況においても、全体の雇用の伸びはここ5年間で2%であるのに比して文化コンテンツ産業は約8%の雇用増加率である。市場全体としても、10年前は製造業が大きかったのに比べ、超高速デジタルネット時代を迎え、現在では製造業と文化コンテンツ市場はその規模に差がなくなってきている。
韓国では文化コンテンツ産業の重要性を真摯に捉え、2003年度には韓国の10大次世代成長産業に文化コンテンツも選定されている。2003年10月には盧武鉉大統領が文化コンテンツ振興院を訪問し、コンテンツ産業育成の重要性を述べている。
韓国の伝統的な食品産業、家電産業等の企業も、映画制作、音楽、公演等のコンテンツ産業に乗り出している。また、通信会社もインフラだけでなくコンテンツに力を入れ始めている。世界的な課題である通信と放送の融合も、韓国においても最重要、喫緊のテーマの一つである。
◆韓国文化コンテンツ産業の目標
まだ韓国のコンテンツ産業はスタートに過ぎず、アニメーション大国日本のような水準には至っていないが、キャラクター分野等、成長を遂げつつあるジャンルもある。オンラインゲームや映画も競争力をつけており、ドラマについても一時的な現象に終わらせず主要な輸出産業のひとつとして推進していきたい。最も重要なジャンルの一つと考えているのはモバイル産業。全てのコンテンツを使うことができるモバイルの市場を、今後も成長させるべく、日本とも協力していきたいと考えている。
韓国の文化コンテンツ産業は2005年に50兆ウォンの売上であったが、2010年には100兆ウォン市場に育て、マーケットシェアも2.2%から4%に引き上げたい。世界市場での順位も5位まで上げ、雇用も96万人を見込み、様々な事業を今後も展開していく所存である。
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