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新年に当たり、経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課(メディアコンテンツ課)の小糸課長に、来年度の新しい施策等について話していただいた内容をまとめさせていただきました。
○現状認識
知財立国としての旗を振り始めて、昨年くらいまでが、第1ステージではないか、という認識です。東京国際映画祭を支援し、コンテンツマーケットを立ち上げて、3年間。徐々に、相乗効果を発揮しています。経済産業省だけではなく、各省も含めて、いろいろな形でコンテンツ振興政策が、この数年で進んできています。他産業に比べれば、今の日本の個別産業対策の枠組みとしては、かなり、力を入れてやってきている方ではないかと思っています。
他方、こうした取り組みの成果として、この数年間、海外における日本のコンテンツのプレゼンスが飛躍的に上がっているとか、あるいは、我々が目指している輸出産業として海外でのマーケット確保が、飛躍的に進んでいるかという点については、必ずしも、十分ではないと思います。コンテンツ産業全体でみた場合、海外市場への依存率は、アメリカが17%に達しているのに対し、日本は2%にとどまっています。
また、日本の市場規模については、デジタルコンテンツ白書の数値を見ても、プロダクツ関連市場を除くコンテンツだけの数値は、基本的に横ばいです。デジタル化、ネットワーク化、というのが大きな流れになっていますが、デジタルコンテンツの伸びが、マーケット全体を牽引しているという訳ではなく、むしろ、アナログコンテンツからの置き換わりの部分が大きく、伸び悩んでいるように思います。
この間、国際競争もどんどん厳しくなり、韓国、中国でもコンテンツに相当力を入れています。アジアとの競争、欧米との競争に決して十分に勝っているわけではありません。ゲームについては、昨年の好調さが報道されていますが、ワールドワイドなゲーム産業市場が急成長しており、それに見合ったシェアを日本が確保してできていません。むしろ、市場拡大の隙間を埋めているのは、欧米の企業の方であるというのが、現状ではないかと思います。
インターネット、携帯など、いわゆるブロードバンド環境を活用した、新しいデジタルコンテンツのビジネスモデルについても、日本発で世界的に成功しているものは多くありません。iPodの成功はむしろ米国からの輸入モデルですし、YouTubeと組んでビジネスを行ったり、「ビットトレント」のようなピアツーピア(peer to peer)ファイルと手を組んで映画配信したりするような、新しいビジネスモデルはやはり米国発です。こうした状況も、決して油断できるものではないと思います。
○国際化に向けての新たな取り組み
第2ステージにおける打開策を考えようと言うことで、昨年から、大臣主催の「コンテンツグローバル戦略」研究会を立ち上げました。夏前にはとりまとめを行う予定です。また、来年度の予算17億円をかけて計画しているのが、マルチコンテンツの国際フェスティバルである「国際コンテンツカーニバル(仮称)」です。この事業を進めることで、国際展開や人材育成など、種々の課題をブレイクスルーする、そして、個別コンテンツ分野の取り組みを全面的に応援する、そういうフェスティバルが実現できればいいなと、思っています。
今年は、「グローバル戦略」を作って、「カーニバル」を成功させていくというのが、当面の最大の課題になっています。
○コンテンツ業界、クリエイターへ
国内のマーケットでそこそこ儲かることで満足しないで、日本のもの作りと同じように、どんどん海外を志向していって欲しい、ということに尽きると思います。そういう意識を持って、コンテンツを作り、海外に持って出て行けるかどうか。経済産業省としては、海外に出て行く気のない人を今後応援するつもりはなく、逆に、本当に出て行きたい人は、個人であれ、俳優であれ、プロデューサーであれ、クリエイターであれ、どんどん応援していきます。例えば、ハリウッドに出て行こうという日本人は、産業として見た場合、米国の映画産業の中で活躍すると言うことで、必ずしも、短期的には日本の映画産業の市場拡大にはつながらないかもしれません。しかしながら、その人が向こうで成功すれば、日本のコンテンツ産業自体の注目度が上がり、将来のマーケット拡大につながりうるわけです。イチローの活躍で、大リーグが日本の野球界に注目するのと同じです。今までは、日本のコンテンツ産業の輸出促進という切り口での応援の仕方が中心だったのですが、こうした新しい応援の仕方も模索していこうと思っています。
また、海外に出て行くときには、先ほど申し上げた、ブロードバンドなどの新しい流通チャネルを使っていくことが有効だと思いますし、参入障壁も低いのではないかと考えます。いきなりハリウッドの配給に乗せるのが難しければ、YouTubeとか、ピアツーピアファイルなどと連携するのも一案です。そのためには、まず、日本でそういうことに取り組むのが前提条件だと思います。
また、アメリカのコングロマリットのような企業が日本で作れるかはわかりませんが、多くのプレーヤーが、いろいろな事業提携をしながら、水平的、垂直的にどういう連携して国際市場を目指していくようなことも、少し真剣に模索していくべき時代に入って来ているといえます。
最後になりましたが、魅力あるコンテンツを創り、ユーザーがそれを享受する可能性を追求するために、次の時代をにらんだ技術基盤を創る取り組みも大切です。新しい技術、ハード、とコンテンツとの融合が新しいコンテンツビジネス、マーケットの可能性を拓くと考え、そうした取り組みに大いに期待し、また支援していきたいと考えます。
コンテンツ産業の関係の皆様方が、海外、国内で新しいビジネスに挑戦して行かれることを期待し、応援していきたいと考えています。
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