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DCAJ news No.124
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海外レポート:韓国CoSME贈呈式とデジタルシネマ現地調査:2007年2月8日(土)、日本側より韓国映画振興委員会に対し“CoSME”を贈呈した。ここでは贈呈式当日の模様に加え、ソウルで進むデジタルシネマへの取り組みをレポートする。
韓国CoSME贈呈式ならびにデジタルシネマ調査

2006年12月7日、財団法人デジタルコンテンツ協会は、中国電影科学技術研究所、韓国映画振興委員会(KOFIC)と「日中韓 映画技術交流・協力に関する覚書」に署名した。この覚書は、主に日中韓のデジタルシネマの技術情報及び技術人材について相互に交流、研修、協力、後援することを目的としたもので、今回はその目的のひとつであるデジタルシネマの技術情報の交流として、東京工業大学が制作したデジタル画質標準評価映像“CoSME”を韓国映画振興委員会に対して贈呈した。

  1. ”CoSME”の贈呈式

    2007年2月8日(木)、KOFIC会議室において日本側より韓国映画振興委員会のAn Cheong-Sook委員長に対し、”CoSME”を贈呈した。

    An Cheong-Sook委員長からは”CoSME”の贈呈に対する感謝ならびに、今後もデジタルシネマに関するアジア的な協力が必要である旨の挨拶をいただいた。

    なお韓国での”CoSME”の配布方法については、日本側の配布方法をベースに韓国側にあった方法とすべく、詳細については今後協議の上決めることとした。

  2. 韓国興行会社ヒアリング
    (CGVのみ2006年12月の調査、その他は2007年2月の調査になります)
    1. Lotte Cinema
    2. 韓国ソウル市にあるAVENUEL Lotte Cinemaで、Choi Muk氏にLotte Cinemaのデジタルシネマへの取り組みを伺った。

      現在、Lotte Cinemaの全体サイト数は37館で、スクリーン数は300。うち直営サイトが19で、直営サイトに2スクリーンずつデジタルシネマが導入されている。シネアドは現在100%フィルムで上映している。

      デジタルシネマに対する取り組みとしては、Lotte CinemaはKTとデジタルシネマに関する覚書を締結しており、11月末にDLPシネマ機やサーバーのテストを行った。

      デジタル化の初期投資はKTが行い、ロッテだけでなく、MMC、シーナスの3館が、KTが構築したデジタルシネマのシステムを利用する(MMC、シーナスともLotte Cinemaの1/3程度の規模)。初期投資はKTが行い、シネアドまでも含めたデジタル化を計画している。

      現在、デジタルデータはハードディスクで配送しているが、KTのシステムは電送で行う予定である。

    3. Mega-Box
    4. 韓国ソウル市にある新村Mega-Boxで、Song In-Kyu氏にMega-Boxのデジタルシネマへの取り組みを伺った。

      現在Mega-Boxの全体サイト数は10館(直営館のみ)で、スクリーン数は92。ソウル市内にある新村(8スクリーン)、COEX(16スクリーン)、モクトン(9スクリーン)は全てがデジタルスクリーン。その他のサイトには2スクリーンずつデジタルシネマが導入されている。プロジェクターはBarco、サーバーはソウル市内はQuvis、ソウル市外はGDCなど他のサーバーを利用している。圧縮方式は、初期はMPEG2が多かったが、今はJPEG2000と両方利用している。

      現在Mega-Boxでは、フィルムとデジタルが連動するシステムを利用している。韓国の他社にはない技術であり、海外からも見学者が訪れている。

      デジタルシネマのシステムを開発したのはトンヨンアイテクという広告代理店(トンヨンアイテクはシネアドの配信をしている、シネアド配信の70%のシェアを占める広告代理店)で、ソウル内のMega-Boxは、トンヨンアイテクとギガビットネットワークで接続されており、トンヨンアイテクから本編およびシネアドを配信している。

    5. CGV
    6. 韓国ソウル市にあるサンアムCGVで、Ok Kyoung-Won氏にCGVのデジタルシネマへの取り組みを伺った。

      現在、CGVの全体サイト数は45館で、スクリーン数は340。うち18スクリーンにデジタルシネマが導入されている。サーバーは「Doremi」と「Quvis」を利用している。

      2005年12月にデジタルシネアドを導入し、現在全スクリーンのシネアドがデジタル化されている。デジタルシネアドにはすべてパナソニックのDLPプロジェクターが利用されている。デジタルシネアドは、CGVの関連会社であるCJ Power Castからオンラインで転送され、CJ Power Castがシステムを管理している。

      今後CGVでは、150〜200スクリーンのデジタル化を予定している。

  3. 所感

    今回、韓国映画振興委員会に対し、デジタル画質標準評価映像”CoSME”を贈呈した。贈呈式の後には質疑応答も活発に行われ、日韓の技術的な情報交換に非常に役に立つものであった。こうした具体的な素材を元に議論することの重要性が感じられた。今後は中国も交え、日中韓での技術交流に発展させてゆきたいと考えている。

    韓国のデジタルシネマのスクリーン数は2005年10月時点で84、これが2007年末までには200〜300スクリーンになると予想されている。こうした状況はロッテシネマ、Mega-Box、CGVといった興行会社が競いあってデジタルシネマのビジネスモデルに取り組んでいることからもほぼ達成されるであろう。また韓国一般の観客層にもデジタルシネマが浸透しており、10〜20代の映画マニア層が、映画館の格付けを行い、ブログで発表していることも少なからず影響があるとのことだ。

    日本においても2007年2月9日(金)新宿に全9スクリーンがデジタルシネマに対応した「新宿バルト9」がオープンしたことで、デジタルシネマに対する注目が高まりつつある、これを機会に普及が加速することを期待したい。

(事業開発本部デジタルシネマ推進部 須藤智明)

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