SIGGRAPH2007で調査活動と交流活動を行なった。このSIGGRAPF2007報告では、主にSIGGRAPH2007の概要とDCAJの交流活動について紹介し、調査活動の結果については「SIGGRAPH2007におけるCG技術及びCGコンテンツの動向調査報告書」をご参照ください。
概要
CG技術とインタラクティブ技術の世界最大の祭典である「SIGGRAPH2007」は米国サンディエゴで、8/5(日)から8/9(木)まで開かれた。参加者は79カ国から、24,083名。昨年のボストン大会と比べて、4,319人増。出展企業は230社。大会委員長はWalt Disney Animation StudiosのJoe Marks氏が務めた。
大きな技術的貢献をしたCG研究者に2年に1度、授与される「スティーブン・A・クーンズ賞」はカリフォルニア大学デイビス校Nelson Max教授が受賞。彼は、DCAJレセプションに毎年、家族連れで参加してくれる、あの「あごひげ」の教授。
また、本年より「FJORG!」という新しいイベントが始まった。これは「鉄人アニメーター・コンペティション」というべきもので、3人1組のチームが10数組、その場で、テーマを与えられ「32時間」ぶっ通しで、短編アニメーションを1本作り上げ、その内容を競うというもの。
以下、DCAJの交流活動について報告いたします。
1) オーバービュー・セッション(全体説明)<8月5日10:00AM>
これは日本のCG-ARTS協会とDCAJの依頼によりSIGGRAPH側が日本からの参加者を対象に行なうSIGGRAPH説明会で、毎回、初日の朝に開かれる。今年は主催母体ACM SIGGRAPHの会長Scott Owen氏、論文審査委員長 Marc Levoy氏、アニメーション・シアター・プロデューサー Tomas Pereira氏、アートギャラリー委員長Vibeke Sorensen氏より、趣旨あるいは見どころについての説明があった。写真はACM SIGGRAPH会長Scott Owen氏と司会兼通訳のSIGGRAPH国際委員の青木美穂氏。なお、青木氏は今回から始まった新イベント「FJORD!」を宣伝する扮装をしている。
2) ACM SIGGRAPH-DCAJ定期円卓会議<8月6日11:00AM>
<ACM SIGGRAPH側出席者(敬称略)>
Scott Owen (会長)、Alyn Rockwood (副会長)、Scott Lang ( 2007 国際関連委員長)、青木美穂 (2007 国際関連委員/通訳);Yong Tsui Lee(SIGGRAPH Asia 2008 大会委員長/ 2007国際関連委員)、稲蔭正彦 (SIGGRAPH Asia 2009 大会委員長), Adrian Sng (SIGGRAPH Asia Chief Staff Executive)
<DCAJ側出席者(同)>
為ヶ谷秀一(女子美大教授)、松島克守(東大教授)、中嶋正之(東工大教授)、西田友是(東大教授)、河口洋一郎(アーティスト/東大教授)、廣瀬通孝(東大教授)、田中美苗(DCAJ会員、DNP/書記)、角田周一(DCAJ専務理事)、青木好郎(同 企画・推進本部長)、鈴木利夫(同 国際室長)、浪越徳子(同 国際室課長)
<議事>
- [1] Owen会長あいさつ
- DCAJとは、さらに、より強固な関係作りをしていきたい。特にSIGGRAPH ASIA開催に向けて、DCAJを大変重要なパートナーと考えている。今回の来場を歓迎する。
- [2] 角田専務理事あいさつ
- SIGGRAPH ASIAはもとより、日本でこの秋に開催されるCoFesta、ASIAGRAPHに向けても、協力し合っていく関係を今後とも保っていきたい。
- [3] 協力合意書
- 更新時期にあたり、ACMより新文案の提案があり、持ち帰って検討する事となった。
- [4] DCAJ側のプレゼンテーション
- ・日本VR学会の活動とSIGGRAPHとのかかわりについて、廣瀬教授より紹介があった。
・DCAJより、過去1年の活動の概略、2007年版デジタルコンテンツ白書の内容紹介、CoFesta(9/19〜10/28)とASIAGRAPH(10/11〜14)の紹介あり。ASIAGRAPHの趣旨については、川口教授からも、詳しい説明があった。
- [5] ACM側のSIGGRAPH Asiaの説明(Rockwood氏、Lee氏、Sng氏、稲蔭氏)
- SIGGRAPHへのアジアの貢献度が論文を中心に大きくなっている。アジアからの米国入国にはビザ取得など手続き煩雑な場合があり、また、インド、インドネシア、中国などでは経済格差で渡米困難なケースもある。そのようなアジアの地域に対処するため、昨年から人選と準備を進め、SIGGRAPH Asiaを開催する事とし、2年分が決まっている。
・2008年12月 場所: シンガポール 大会委員長: Lee氏
・2009年12月 場所: 横浜 大会委員長: 稲蔭氏
規模は米国SIGGRAPHの5分の1程度を想定するが、プログラムとレベルは「同等」を目指す。論文では西田教授やRockwood氏に参加してもらい、クオリティーを高める。
2009年12月には、パシフィコ横浜にて開催予定でDCAJや省庁からの協力を得たい。日本やアジアに止まらず国際的カンファレンスを目指す。日本VR学会の協力も期待する。
3) DCAJプレゼンテーション<8月7日10:00AM〜12:00N>
- 第1部:デジタル・クリエイターズ・コンペティション
- DCC2007入賞7作品が女子美大為ヶ谷教授の解説により上映された。

- 第2部:エンターテインメント以外の分野における日本のCG技術
- アニメ以外でも日本の技術水準が高い事のデモンストレーション。ソニー杉沼氏の司会により以下の3プレゼンテーションが行われた。
・「ジャイロボールの秘密を解く」- 講演:小野 謙二氏(独立行政法人 理化学研究所)
・「国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトにおける天文多体シミュレーションデータの可視化」 -講演:武田 隆顕氏(国立天文台)
・「ルーヴル−DNPミュージアムラボ・プロジェクト」- 講演:久永 一郎氏・田中美苗氏(大日本印刷)

4) DCAJレセプション<8月7日5:30〜8:30PM;Harbor House Restaurantにて>
今年はASIAGRAPH開催概要を発表する記者会見の場も兼ね、200人以上のお客様を迎え、SIGGRAPH会場近くのSeaport Village内レストラン「Harbor House」で開催された。
DCAJ角田専務挨拶のあと、河口ASIAGRAPH実行委員長より、ASIAGRAPH (10月11日〜14日)の開催概要についての説明があり、また、同時に、その模様をアバタを用いて中継するSecond Lifeサイトの画面もレストラン内に投影された。ASIAGRAPHのデモンストレーションとして、河口実行委員長を含めた5人のCGアーティストによる描画をプリントした浴衣も、参加者5人の女性のご協力により、披露された。

【河口教授によるASIAGRAPH概要説明;その模様のVR中継(Second Lifeサイト);CG描画による ゆかた】
また、ACM SIGGRAPH副長のAlyn Rockwood氏や今回、クーンズ賞を受賞したNelson Max氏、そのほか、多数の方々よりスピーチを頂いた。
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| 【ロックウッドACM SIGGRAPH副会長】 |
【クーンズ賞盾を手にするマックス教授】 |
5) DCAJセミナー「SIGGRAPH2007報告会」<9月14日;永田町・砂防会館にて>
講師にソニーの杉沼氏、東京天文台の武田氏、ポリゴンピクチュアズの塩田氏を迎え、前半は、技術面からSIGGRAPG2007をリビューし、後半は、塩田氏の解説付きでアニメーション入選作の抜粋上映を行なった。参加者はそれぞれ「来年は」あるいは「来年も」・・・「SIGGRAPHに参加したい」との思いを新たにした。

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