利用許諾契約書(案)
   

<作品(静止画)の著作権者>(以下「甲」という)と<デジタルアーカイブ構築・運営者>(以下「乙」という)とは、甲が著作権を有する作品を利用許諾することについて、次の通り契約を締結する。

第1条(定義)
    本契約において、次の用語は、以下に定める意味を有する。

    (1) 本件作品とは、甲が著作権を有する別紙1欄記載の作品をいう。
    (2) デジタルアーカイブとは、デジタルデータを収録素材として構築されたデータベースであって、
    乙が保有するものをいう。
    (3) 本件データとは、デジタルアーカイブに収録された本件作品をデジタル化したデータをいう。
    (4) 紹介とは、第三者に対し、本件データの利用を促すために、本件データを提示することをいう。
    (5) 提供とは、本件作品の利用許諾を得た第三者に対し、本件データの複製物を引渡すことをいう。
第2条(利用許諾)
    乙は、以下の各号に定める範囲で、本件作品を非独占的に利用することができる。

    (1) デジタルアーカイブの構築
    本件作品をデジタル化し、データベースに含ませることによりデジタルアーカイブを構築すること。
    (2) 本件データの紹介又は提供
    デジタルアーカイブに収録された本件作品を印刷物又はCD-ROM、MO、DVD等の電子記録媒体に複製して譲渡し、又はインターネット等のネットワークで公衆送信することにより、紹介又は提供すること。

<コメント>
1)乙が本件作品を利用できる範囲を定める。ここでは、非独占的な許諾とし、その範囲をデジタルアーカイブの構築及び本件作品を印刷物や電子記録媒体に複製し譲渡すること、又はインターネットにより公衆送信することにより紹介又は提供することとする。

2)乙が自ら印刷物、電子記録媒体、放送又はインターネットにも利用する場合には、変形例のように利用範囲を定めることが考えられる。

<変形例>
第2条(利用許諾)
    乙は、以下の各号に定める範囲で、本件作品を非独占的に利用することができる。
    (1) [略]
    (2) [略]
    (3) 本件データの自らの利用
    本件データに基づき、自ら印刷物を制作し頒布すること、CD-ROM、MO、DVD等の電子記録媒体による作品を制作し頒布すること、放送番組を制作し放送すること、又はインターネット・ウエブサイトを制作し公衆送信すること、及びこれらに関連する宣伝広告活動に利用すること。


第3条(再利用許諾)
    乙は、本契約の期間中以下の各号に定める範囲で、本件データを第三者からの申し込みに応じて随時再利用許諾することができる。

    (1) 印刷物を制作し頒布、販売すること
    (2) CD-ROM、MO、DVD等の電子記録媒体よる作品を制作し頒布、販売すること
    (3) 放送番組を制作し放送すること
    (4) インターネットのウエブサイトを制作し公衆送信すること
    (5) 前各号に伴う宣伝広告活動に利用すること
    2.前項による再利用許諾の場合、乙の第三者に対する当該再利用許諾の有効期間は最長○年間を超えないものとし、期間を延長する場合は、本契約による有効期間の条件等を考慮し、甲乙協議してその取り扱いを決定するものとする。
    3.再利用許諾を希望する第三者が、本件データを改変して利用する場合については、その都度甲乙協議して取り扱いを決定するものとする。

<コメント>
1)乙から利用者に対し、本件データを再利用許諾できる範囲を定める。

2)変形例として、(A)乙が申し込みを受ける都度甲の承諾を得、その承諾の範囲で乙から再利用許諾を行う場合、(B)乙は申し込みの仲介だけを行い、甲から利用許諾を行う場合、が考えられる。

3)第2項では権利者から許諾をされている期間が満了しているのもかかわらず、再利用許諾が歯止めなく継続することを避けるために、乙から当該第三者への再利用許諾期間を明記している。契約期間は契約毎に検討すべきである。

<変形例>
(A) 第3条(再利用許諾)
    乙は、本件データについて、第三者から利用の申し込みを受けた場合には、甲の事前の書面による承諾を得ることにより、当該承諾を得た範囲で当該第三者に再利用許諾することができる。
(B) 第3条(再利用許諾)
    乙は、本件データについて、第三者から利用の申し込みを受けた場合には、その旨を甲に通知するものとし、甲が当該第三者に対する利用許諾を行うものとする。
 

 
  次ページ
  権利問題と契約文例トップへ戻る
  閉じる