第5条(本件素材の撮影)
    乙は、第2条に定めるデジタルアーカイブの構築の目的で、本件素材を撮影することができる。

    2.乙は、撮影にあたり、甲の指示に従うものとする。
    3.乙は、撮影写真を第2条に定めるデジタルアーカイブの構築以外の目的に使用する場合には、事前に甲の承諾を得るものとする。

<コメント>
1) 素材をデジタルアーカイブする際に写真撮影が必要な場合、デジタルアーカイブ構築・運営者は、当該素材を利用して収益するわけであるから、素材の所有者に対して、その所有権を尊重して、撮影を行うためのしかるべき権利を得ておく必要がある。

2)甲が本件素材の著作権者ではない以上、甲が撮影写真の利用を制限することは法的に認められているわけではないので、これを制限するために、乙による撮影写真のデジタルアーカイブの構築以外の目的に使用することについて、事前に甲の承諾を得ることを定める。

3)変形例として(A)写真撮影を甲が指定する第三者(カメラマン)に依頼する場合が考えられる。

4)写真撮影を行わず、甲が指定する既存の写真を用いる場合には、変形例(B)のように定めることも考えられる。

<変形例>
(A)第5条(本件素材の撮影)
    [略]
    2.乙は、甲の指定する第三者に撮影を委託するものとする。
    3.[略]
(B)第5条(本件素材の撮影)
    乙は、甲の指定する第三者から本件素材の撮影写真の貸与を受けることができる。


第6条(対価)
    乙が甲に対して支払う本契約に基づく使用承諾(再利用許諾を含む)の対価およびその支払方法は、別紙3欄記載の通りとする。

第7条(権利帰属)
    デジタルアーカイブに関するデータベースの著作物の著作権は、乙に帰属する。

    2.乙から再利用許諾を受けた第三者が、本件データを利用して新たな著作物を作成した場合には、その著作権は当該第三者に帰属する。
<コメント>
デジタルアーカイブのデータベースの著作物の著作権は、乙に帰属することを確認する。再利用許諾を得た者が新たな著作物を作成した場合は、その著作権が当該第三者に帰属することを確認する規定であり、契約文例3の第6条に対応する規定である。


第8条(保証)
    甲は乙に対し、甲が本件素材の正当な所有者であり、本契約に定める使用承諾を行うことができることを保証する。
<コメント>
1)甲が所有者として、乙に対し保証する内容を記載する。
2)甲が本件素材を第三者に譲渡する場合の措置として、変形例を2つあげている。変形例(A)では、譲渡の旨を乙に通知する、とした。。この場合、乙によるその後の継続利用については、具体的には規定していないので、当事者間でその取扱いについて別途取り決めることになる。(B)では、所有権移転と共に当該第三者に契約上の地位も移転させ、当該第三者からの利用についてのクレーム等が生じないような安定的な事業を継続できるよう第2項の規定を設けている。

<変形例>
(A)第8条(保証)
    [略]
    2.甲は、本件素材を第三者に譲渡する場合には、事前に乙に通知するものとする。
(B)第8条(保証)
    [略]
    2.甲は、本件素材を第三者に譲渡する場合には、乙が本契約に基づき継続して本件データを利用できるように、当該第三者と契約を締結するなど必要な措置をとるものとする。


第9条(クレジット表示)
    乙は、本件データを第三者に紹介および提供する場合には、別紙4欄記載の通りに甲の氏名を表示するものとする。

    2.乙は、本件データの提供を受けて利用する第三者に対し、当該データを利用した成果物に、別紙4欄記載の通りに甲の氏名を表示させるとともに、当該データの無断転用を禁止する旨を表示させるものとする。
    3.乙は、前二項の甲の氏名表示と併せて、別紙4欄記載の通りに乙の氏名を表示させることができる。

第10条(甲による本件データの利用)
    甲が本件データの利用を希望する場合の条件は甲乙協議して定める。
<コメント>
1)甲による本件データの利用条件を、甲が本件素材の所有者であることを考慮するなど甲乙協議して定めるものとする。

2)変形例として、(A)第三者よりも有利な利用条件とする場合、(B)無償で提供する場合、が考えられる。

<変形例>
(A)第10条(甲による本件データの利用)
    乙は、甲が本件データの利用を希望する場合には、第三者よりも有利な条件でこれを提供するものとし、その条件は甲乙協議して定める。
(B)第10条(甲による本件データの利用)
    乙は、甲が本件データの利用を希望する場合には、無償でこれを提供するものとする。
 

 
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