国内グッドWebサイト事例集
デジタルアーカイブの成果の1つとしてとらえられるのが、インターネットに広がるWebサイトである。多種多様なWebサイトの表現は、デジタルアーカイブされたデータの可能性を可視化して見せてくれる。今年はブログとブロードバンドの普及が進み、動画アーカイブが増えたのが特徴。国内の博物館・美術館、図書館・公文書館、自治体・教育委員会のWebサイト調査と取材を通して、調査員の印象に残ったWebサイトを分野別にまとめた。充実したデータベース、効果的なデザイン、手作り感覚のWebサイトに分類し、代表的なWebサイトには画像を添えている。合計60件のWebサイト事例集。(五十音順)
博物館・美術館図書館・公文書館大学・研究機関自治体・教育委員会エト・セトラ

◆博物館・美術館
●国立科学博物館
http://www.kahaku.go.jp/
科学の森を散策するように楽しめるWebサイト。上野本館、自然教育園、筑波実験植物園、新宿分館、産業技術史資料情報センターなどの関連施設にも自在にアクセスできる。テキストも豊富にあり、盛りだくさんの情報量でありながら、フロアごとに色分けされ、調和のとれた多色使いで、コンセプトを明確に発信。不思議の世界が解き明かされ視野が広がる。バーチャルミュージアムの学習資源コンテンツや、充実のデータベースは「科博」ならでは。わが国最大級の広さを誇る「新館」には、10のおすすめコースが用意されている。

●一関市博物館
http://www.museum.city.ichinoseki.iwate.jp/icm/index.html
ボタンを右上にまとめ、操作しやすく、余白を生かしたレイアウトはシンプルで、厳選された画像やテキストから落ち着いた館の佇まいが伝わる。テーマ別に紹介されている館蔵品は、奥行きが深く全体拡大図・部分拡大図で構成され、検索機能も用意されている。「昔の日本の計算方法」では、古来の日本独自の計算方法を、基礎から応用までを映像を使って伝授しており、興味が深まる。
 
●岩手県立美術館
http://www.ima.or.jp/index1.html
検索に感性語を採用しているデジタルレファレンスでは、作家名や制作年などを入力する検索のほか、色や形、「濃い」「薄い」などの感性語で作品を検索できるイメージ検索が特徴的である。コレクションの核になる3人の作家・萬鐵五郎、松本俊介、舟越保武が郷土の風景を背景に顔写真が紹介されており、親しみやすい。写真をクリックして作品ページに入る。
 
●上田市山本鼎記念館
http://museum.umic.ueda.nagano.jp/kanae/
大胆な濃い色使いでありながら、かわいいアイコンが効果的にちりばめられた丁寧な作りの印象的なWebサイトである。作品インデックス、年譜なども単調ではなく、奥行きのある作りで、作品を拡大して鑑賞でき、作品の背景にあるエピソードも読み物として充実している。山本鼎を詳細に調べ上げ、オリジナリティのある表現で再構築している。
 
●大阪市立東洋陶磁美術館
http://www.moco.or.jp/jp/index_f.html
充実したデータベースである。館蔵品カタログでは、整然と並んだサムネイルが館蔵品の全体像を見せ、各作品の拡大写真は、陶磁器の表面だけでなく、底部も見ることができ、学芸員の視点で名品を味わうことができる。鑑賞の手引き、地図・年表などが学習コンテンツとして利用できる。
 
●岡山市立オリエント美術館
http://www.city.okayama.okayama.jp/orientmuseum/
2005年度展覧会予定がトップページに大きく表示され、Webサイトが展覧会の広報として大きな位置づけであることがうかがえる。アイコンやサムネイルは見当たらないが、詳細表示の写真をクリックして拡大写真を見ることができる。照明に配慮して作品の撮影が行なわれ、収蔵品のデジタルアーカイブを構築している成果が見られる。
 
●黒田記念館
http://www.tobunken.go.jp/kuroda/index.html
「デジタルアーカイヴ」とトップ画面に表示が見られる洗練された画面のWebサイト。項目ごとに更新された日付があり、信頼できる情報であることを保証しているようだ。展示室ごとに作品の拡大写真を閲覧ができるが、黒田清輝作品一覧からも作品についての情報が詳しく、拡大作品を見ることができる。英語、中国語、韓国語の表記がある。
 
●神戸市立博物館
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/museum/main.html
名品撰は、高精細な画像と解説がバランスよくレイアウトされていて見やすく、データベースも充実している。情報のキーワード検索は、神戸市のホームページより。また、大震災での所蔵品の損傷状況などが写真でアーカイブされている。Webサイトでの外国語の表記はないが、PDFによる英語、中国語、韓国部の情報提供がある。
 
●国文学研究資料館
http://www.nijl.ac.jp/
「今月の一冊」が目を引く。専門家のセレクトによる一冊は、興味深く、インデックスページもあり、拡大表示が可能。また解題(著作の由来、出版の年月など)も詳しい。デジタルアーカイブを牽引する施設でもあるが、更新がよくされており信頼度の高さがうかがえる。資料が豊富でよく整理されたデータベースが構築されている。
 
●国立歴史民俗博物館
http://www.rekihaku.ac.jp/
「館蔵資料画像データベース」には178,472件ものデータがあり、すべてではないが画像も公開されている充実したデータベース。研究者を対象にしているだけでなく、トップページには、子供と親のページがあり、幅広く真正の学習資源を提供している。電子企画展の利用状況を改善のために参考にするなど、Webサイトも発展性のある研究対象。
 
●国立民族学博物館
http://www.minpaku.ac.jp/
博物館を有する研究所である“みんぱく”の「標本資料目録データベース」は、所蔵する標本資料(生業、生活、儀礼、製作技術にかかわる用具類など)ほぼ全件(約237,400点)の基本情報を収録。ほかに、「服装・身装文化(コスチューム)データベース」「吉川 シュメール語辞書データベース」などと充実したデータベースを持つ。所蔵する文献の目録検索もできる。
 
●杉野学園衣裳博物館
http://www.costumemuseum.jp/
黒を基調にした、コスチュームがよく映えるシンプルなWebサイトである。コレクションの画像の上でマウスを左右に動かすと、そのコスチュームは360度回転する。正面だけでは確認できない後ろ姿のシルエットや服飾の美しさが確認できる。また、ディティールの重要なポイントは拡大可能。数は少ないが整理されたデータベースである。
 
●高月町立観音の里歴史民俗資料館
http://www.biwa.ne.jp/~kannon-m/index.htm
手作り感覚のWebサイト。「高月町の文化財」では国宝(木造十一面観音立像)や重要文化財などの仏像彫刻や書跡・典籍・古文書などの文化財が目録化され、写真の充実しているものがある。「高月の観音と史跡」の地図はまだ未完成のようだが、地元の人ならではの土地感覚を生かした表示に温かみが感じられ、訪れたい気持ちになる。
 
●たばこと塩の博物館
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/WelcomeJ.html
「コレクションギャラリー」には、たばこというテーマで収集された浮世絵のほか・キセル・たばこ入れ・灰皿・ポスター・塩の結晶など、収蔵資料約30,000点の中から一部の画像がデータベース化されている。各種類ごとにサムネイルの画像で、まず閲覧できるので全体像が把握でき、画像をクリックすると拡大画像と解説となる。
 
●東京藝術大学大学美術館
http://www.geidai.ac.jp/museum/
文字だけで構成された最新情報が、トップ画面に続く。信頼度が高い情報は、読みやすく、オレンジとグレーの配色がシンプルで美しい。圧巻は「収蔵品データベース」。検索できる約25,900件の作品情報、約6,000画像を公開。画像には色票が添えられ、作品情報も詳細。美術の殿堂から、指針ともなるデータベースが発信されている。
 
●独立行政法人国立美術館
 所蔵作品総合目録検索システム(試行版)
http://search.artmuseums.go.jp/
国立美術館4館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館)が収蔵している作品の目録検索である。2万件以上の目録が登録され、数は少ないが画像もある。国立美術館5館(2007年、東京・六本木に国立新美術館が開館予定)の総合目録の形成と公開に向け、館の壁を乗り越えた画期的な一歩といえるWebサイト。
 
●中山道広重美術館
http://museum.city.ena.gifu.jp/top.html
旧中山道が通り、宿場町として栄えた大井宿があった岐阜県恵那市。中山道によってはぐくまれた文化・芸術を発信する美術館。歌川広重の浮世絵版画を中心に「木曽街道(中山道)」がテーマである。コレクションは、木製の収蔵庫をイメージさせたバーチャル「収蔵庫」にあり、データベース化されている。拡大して見ることができる。
 
●馬頭町広重美術館
http://hiroshige.bato.tochigi.jp/batou/hp/
収蔵作品1,162件がデータベース化されている。歌川広重の肉筆画と版画の数は少ないが、拡大して見ることができる。収蔵品検索システムの分類を「全て」にし、あとはブランクのまま検索ボタンをクリックすると一覧表が出てくる。さらに、「文字画像一覧」をクリックするとサムネイル入りの一覧が出てきて選択しやすくなる。
 
●平塚市美術館
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/
所蔵作品の中にある原精一(http://museum.isogaya.co.jp/hiratsuka/)の手作り風画像データベースが突出しており、油彩、スケッチブック、スケッチ、筆、絵具、小物の画像が10,000点以上あるようだ。平塚市美術館教育普及活動のワークショップクラブに参加したメンバーによって整理・分類・デジタル化されたと記載がある。
 
●CCA北九州
http://www.cca-kitakyushu.org/jp/
ホームページにたくさんの画像が規則正しくレイアウトされ、色もビビッドできれいな印象を与える。現代美術のインスタレーション作品や出版物の画像もある。1997年の開設記念プログラム「マリナ・アブラモヴィッチの5つのヴィデオ・インスタレーションとラージスケールの写真4点」から現在までの作品記録を公開している。
 
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◆図書館・公文書館
●国立公文書館
http://www.archives.go.jp/
2005年4月1日に「国立公文書館 デジタルアーカイブ」の運用を開始。検索システムの「デジタルアーカイブ・システム」と、様々な歴史資料の大判資料を高画質の画像とやさしい解説で紹介する「デジタル・ギャラリー」の2つに分類し、紹介する。閲覧できる画像は任意の拡大が可能で、利用者が特に興味をもつ部分はカーソルの指定により原画サイズの大きさまで拡大表示。他にも館が独自に発行する刊行物を紹介するコンテンツでは、バックナンバーの記事の一部をPDF化して公開している。
 
●愛知県図書館
http://www.aichi-pref-library.jp/
「絵図の世界」は主に江戸後期の900点以上の絵図が閲覧できるアーカイブ。画像の表示は“全体図”と“高精細”の2通りのモードがあり、“高精細”モードでは段階的な拡大表示により原図に記された細かな文字まで判読できる。また、県内の公立図書館が持つ蔵書を横断検索できる「愛像くん」など検索エンジンにも優れている。
 
●秋田県立図書館
http://www.apl.pref.akita.jp/
「デジタルライブラリー」は奥行きの深いデータベースで複数のデジタルコンテンツを豊富な画像と詳細な解説文で紹介している。扱うテーマによって画像の保存形式を使い分けるなど、製作者の工夫の様子がうかがえる。県内に伝承される代表的な民話を音声で紹介する「語り部による秋田の民話」は独特の方言による朗読で味わい深い。
 
●岩手県立図書館
http://www.library.pref.iwate.jp/iliswing/network/welcome.jsp
シンプルで洗練されたデザインのトップページ。「デジタル化資料の紹介」は4つの項目から構成されており、「宮澤賢治」「石川啄木」では郷土を代表する2人の作家の初版本を、「岩手の古文書」「岩手の古絵図」では主に江戸後期の手書きの写本などが、それぞれ表紙から見開きで公開され、利用者はページをめくるように閲覧することができる。
 
●沖縄県公文書館
http://www.archives.pref.okinawa.jp/
「電子閲覧室」は、主に戦後アメリカ統治時代の資料や写真を公開している。当時の琉球政府が発行した公報などの行政資料を紹介する「琉球政府の時代」や、復興に取り組む人々の生活や風俗、建設される基地などのランドマークや各地の風景を撮影した「アメリカが記録した戦後沖縄」「米軍・USCAR撮影写真(沖縄戦から日本復帰まで)」など貴重な写真が多数公開されている。
 
●神戸大学附属図書館
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/
「神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ」は緑を基調にした親しみやすいデザインで操作性にも優れている。「震災文庫」は震災直後の神戸周辺各地を撮影した写真や報道媒体の記事を、海軍海事史関係資料「住田文庫」は古地図などを複数の表示形式で蓄積している。ほかにも「ズムマ」「浄土寺縁起」などの貴重書を公開しており、質・量ともに充実したデータベースである。
 
●国立公文書館
 アジア歴史資料センター
http://www.jacar.go.jp/
2005年1月現在、日本の近現代史資料を約740万の画像と53万件の目録データベースを公開している。資料は随時追加され、分類や検索手段についても段階的にカテゴリーを細分化して、よりユーザーからの具体的なアクセスを目指している様子がうかがえる。Webサイトのオリジナルコンテンツ「インターネット特別展」では「岩倉使節団」などの歴史上のイベントを取り上げ、アニメーションを使用して関係人物や年表、関連資料などを紹介している。
 
●国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/
「ギャラリー」は、ユニークな7つの項目からなり、それぞれが独自に持つトップページをエントランスとして詳細な解説に挿絵のように調和した画像をちりばめ、知的デジタル空間となっている。そうした中のひとつ「近代日本人の肖像」は近代日本の形成に影響のあった政治家、官僚、軍人、実業家など約200人の肖像を所蔵する写真集を基に公開している。また、「インターネット資源選択的蓄積実験事業(WARP)」では、「電子雑誌コレクション」「政府ウェブコレクション」「協力機関ウェブコレクション」を公開している。
 
●東京外国語大学附属図書館
http://www.tufs.ac.jp/common/library/index-j.html
「東京外国語大学附属図書館デジタルアーカイブ」は南アジア地域の研究文献「インド・パ−キスタ−ン宗教調査関係文献」と「ナワルキショール・コレクション」の2つの貴重なコレクションを広く世界に発信する目的で開設されている。また、収集した資料を電子化により蓄積・保存・共有し、多言語で検索できる“Digital Library Network System for C-DATS”(Dilins)を構築するなど独自の試みが見られる。
 
●東京学芸大学附属図書館
http://library.u-gakugei.ac.jp/
前身の師範学校時代から蓄積されてきた教育関係図書の多数が電子書類として蓄積されている。教育資料の1つとして収集された「双六コレクション」は館が所蔵する絵双六のコレクションで歌舞伎、風俗・民俗、教育・子供、歴史、東海道、物産、戦争、世界、物語など時代を反映した画像資料としても興味深い内容である。
 
●ドコモ電子図書館
 DoCoMo Digital Library
http://www.digital-lib.nttdocomo.co.jp/
「情報通信」と「失われつつある日本文化の保存」の2つのテーマを軸に、民話・昔話、街頭紙芝居、昔の遊びなど消えゆく文化をイラストとアニメーションで電子空間に再現する。音声付きコンテンツが多数存在するなど、移動体通信を基幹とする同社ならではの特徴が表現されている。
 
●日本財団図書館
http://nippon.zaidan.info/
40年を超える日本財団の活動にともない生み出されてきた成果物(20,868件)をインターネット上に公開する電子図書館。「私はこう考える」は大きな社会問題について各種媒体に発表された記事や有識者の論文などを収集して原文のまま掲載している。引用や参考記事としての利用を考えた際に有用なWebサイトと思われる。
 
●福井市図書館
http://lib.city.fukui.fukui.jp/
柔らかなイメージが印象的なWebサイト。「デジタル貴重書」は松平家から寄贈された貴重書を「特別コレクション 越國文庫(えっこくぶんこ)」として高精細画像で公開している。遠隔の地域住民のために巡回する移動図書館「あじさい号」や、乳児を持つ家庭に絵本を紹介する「ブックスタート」など地域に密着した取り組みに熱心な様子がうかがえる。
 
●福岡大学図書館
http://www.lib.fukuoka-u.ac.jp/~camp/HomeP2/top1-1/newpage2.htm
「電子資料」には「W・モリスのケルムスコット・プレス」「和本の美」、「九州の出版文化」など複数の項目があり、それぞれが充実したデータベースを構築している。とりわけローマ法とグリム童話については造詣の深い様子がうかがえ、豊富なコレクションを元に背表紙画像からの蔵書検索や、PDF化した資料が多数公開されている。
 
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◆大学・研究機関
●龍谷大学学術情報センター
http://opac.lib.ryukoku.ac.jp/web/index.htm
「学術情報センターコレクション」は龍谷大学の図書館が所蔵する様々なコレクションを公開している。「仏教東漸 大谷探検隊―高精細デジタルアーカイブ―」は今世紀初頭、西本願寺第22代門主鏡如上人(大谷光瑞師)による、大谷探検隊が3回にわたって踏破発掘し収集した資料を紹介する内容で、敦煌出土古写経、社会経済文書資料、本簡、碑文、拓本類、貨幣、染織断片、植物標本などその内容は多岐にわたっている。また、独自のプログラムを用いてユニークな表示形式も試みている。
 
●国立情報学研究所
 「ディジタル・シルクロード・プロジェクト」
http://dsr.nii.ac.jp/
国立情報学研究所が進める先端情報技術と文化の融合に関する研究プロジェクトの成果として開設されたWebサイト。2005年3月現在「ディジタル・シルクロード・プロジェクト」「イラン・バムの要塞:地震を越えて残す記録」「NIIイマジナリミュージアムDSR」「東洋文庫所蔵 図像史料マルチメディアデータベース」「貴重書で綴るシルクロード」の5つの項目からなり、それぞれが独自の構成で詳細な解説文と膨大な画像資料を公開している。
 
●女子栄養大学
http://www.eiyo.ac.jp/
「栄養と料理デジタルアーカイブス」(http://libsv2.eiyo.ac.jp/eiyotoryori/)は創設者の香川昇三・綾により昭和10年(1935年)に創刊され現在も刊行される同名の月刊誌のうち、昭和10年から33年に発行されたものを全文画像データとして公開する内容。寄稿した著者や食品名などをキーワードに記事検索ができ、各方面の研究資料として役立つWebサイトを目指している。
 
●東北大学
 「東北大学関係写真データベース」
http://www2.library.tohoku.ac.jp/tua-photo/
1880年代から1990年代にかけて撮影された大学の歴史にかかわる価値が高いと考えられる記録写真を、関連する諸学校に関したものも含めて約3,000点抽出し公開するデジタルアーカイブ。「学校」「地区」「主題」「年代」の4つのカテゴリーから項目を選択して検索できる。1922年に来日したアインシュタインの写真など貴重資料も蓄積している。
 
●奈良文化財研究所
http://www.nabunken.go.jp/
Flashによる洗練されたインターフェースが印象的なWebサイト。奈良文化財研究所は複数の専門部を持ち、県内に点在する文化財の調査・研究、修復などに努めてきた。「文化遺産の泉」はこうした活動により蓄積された歴史的建造物や遺跡などを撮影した写真や、所蔵する出土品、資料などを高精細な画像と詳細な解説で公開するデジタルアーカイブ。識・観・訪・測・交・遊の頭文字を持つ6つのテーマからなり奥行きの深い作りとなっている。
 
●立教大学
 「旧江戸川乱歩邸公開記念サイト」
http://www.rikkyo.ne.jp/~koho/ranpo/
旧江戸川乱歩邸と蔵書が同大学の所蔵となったことを機に開設されたWebサイト。濃紺をベースとしたムードあふれるデザインが印象的。邸内の細部を写真や映像で紹介する「旧乱歩邸の公開」や近世資料の収集家としても知られたコレクションの一部を画像データとして公開した「乱歩の蔵書」など5つの項目からなる。
 
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◆自治体・教育委員会
●石川新情報書府
http://shofu.pref.ishikawa.jp/
デジタルアーカイブ構想の下に運営される石川県の文化・情報発信のポータルサイト。国際的なデジタルアーカイブの流れに対応し、文化遺産の保存・継承に寄与するとともに文化遺産という石川県の個性を情報発信することを目指す。石川新情報書府の名は江戸時代の儒学者新井白石が「加賀は天下の書府なり」と加賀藩の文化の高さを絶賛したことが由来。豊富なモチーフを基にほぼすべてのコンテンツが独自のトップページを持ち、先端の表現技術を用いて質・量ともに高いレベルで公開されている。
 
●あいち地域資源デジタルアーカイブ
http://www.aichi-lrda.jp/
カラフルなデザインが印象的なトップページ。愛知県地域振興課が県内の自然や歴史、文化などを地域資源と位置づけ、その活用と公開を目的に運営している。地図からの指定や資源のジャンル、活用の目的や担い手など5つのカテゴリーからテーマを選択し、カード形式のインターフェースから詳細な解説や豊富な画像、紹介ビデオなどで地域資源についての知識が得られる仕組みになっている。
 
●とやまオンライン映像館
http://www2.pref.toyama.jp/index.html
コミカルなデザインが親しみやすいトップページ。富山県が提供するブロードバンド版総合ポータルサイトで、情報スーパーハイウェー「とやまマルチネット」を活用した大容量の映像情報が提供されている。「行政地域情報」「学習支援情報」「福祉支援情報」の3つのカテゴリーから豊富な映像情報が視聴できる。
 
●長良川デジタル百科事典
http://nagaragawa.npo-dac.jp/
岐阜県河川課が運営する県内地域資料の公開を目的としたWebサイト。「テーマで調べるページ」と「地図で調べるページ」の2つのカテゴリーから目的の資料を選択し、サブメニューからテーマごとに動画を視聴することができる。それぞれの関連資料として参考文献や参考サイトなどにもリンクしていて、より深い知的欲求にも応えるしくみになっている。
 
●新潟県庁
http://www.pref.niigata.jp/
2004年10月に発生した新潟中越大震災についての追跡情報をまとめた「新潟県中越大震災に関する情報」には各地の被害状況を撮影した画像が多く公開されている。文化的な対象を基にしたアーカイブに限らず、こうした災害被害を知らせる多くの画像資料を公開し、人々の記憶をつなぐアプローチもデジタルアーカイブのあり方としては考えられるのかも知れない。
 
●日子の島
http://www2.tip.ne.jp/~nakani00/index.htm
手作りの温かさが伝わってくるような印象の山口県下関市彦島のWebサイト。瀬戸内海の急峻な潮の流れとともに滅亡していく平家を見届けた彦島の現在の姿と平家物語とのかかわりについて豊富な資料で紹介している。フィールドワークにより撮影された写真に丁寧な語り口の解説文が組み合わされ、ひとつひとつ生み出されてゆくコンテンツがリンクされていく様子がうかがえる。
 
●広島県教育委員会
http://www.pref.hiroshima.jp/kyouiku/hotline/index.html
スポーツ・文化カテゴリー内のメニューのひとつ「広島県の文化財」(http://www.bunkazai.pref.hiroshima.jp/)は広島県教育委員会が運営する、県内の指定文化財や史跡、歴史的建造物などを紹介するWebサイトで、キーワード検索と地図検索の2種類の方法で必要な資料を閲覧できる。画像はFlashPixによる拡大表示に対応しておりシンプルで利用しやすい印象。
 
●兵庫県教育委員会
http://www.hyogo-c.ed.jp/~board-bo/
キャラクターのイラストを配するなど子供にもなじみやすいデザインのWebサイト。独自に運営する「ネットミュージアム兵庫文学館」(http://www.bungaku.pref.hyogo.jp/)は学校の黒板をエントランスとして、イラストマップから地域の博物館や著名人の功績を紹介するコーナーにジャンプするなどユニークなつくりとなっている。Flashムービーで直感的に操作できるので画面やキーボードの扱いに不慣れなユーザーにもなじみやすい。
 
●みんなで創ろう!三重の環境
http://www.eco.pref.mie.jp/
郷土の自然環境保護を担う三重県環境森林部が運営する環境系ポータルサイト。「空から見た三重」は三重県森林GISが提供する空撮した広域画像から指定した地域の地形画像が閲覧できる。また「自然」カテゴリー内の「みえの自然」「みえの自然学校」は、いずれも地域の自然環境や動植物などを、関係する行政機関が撮影したものも含め、豊富にアーカイブされている。
 
●Wonder沖縄
http://www.wonder-okinawa.jp/
沖縄県が「沖縄デジタルアーカイブ整備事業」において運営している国内最大の地域デジタルアーカイブ。総ページ数1万ページ以上、高精細デジタル映像は10時間以上におよび、沖縄の歴史、自然、美術・工芸、芸能、民俗などのジャンルから様々な沖縄文化に触れることができる。また、独自のプログラムを用いた「情報銀河」「時空ナビ」などほかでは見られない表現技術で迫力に満ちた電子空間へと誘ってくれる。
 
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◆エト・セトラ
●(財)京都国際文化交流財団
http://www.kyo-bunka.or.jp/
トップ画面にある「文化財画像を閲覧」のボタンをクリックすると、静止画アーカイブ(絵画・工芸・書跡・風景/社殿・祭礼/行事・その他)、動画アーカイブ、音声アーカイブに分類され、古来より継承・蓄積してきた京都の特徴ある文化財や技を視聴することできる。前・京都デジタルアーカイブ研究センターによってアーカイブされたコンテンツ(〔財〕京都高度技術研究所が継承)と、(財)京都国際文化交流財団がアーカイブしたコンテンツとを併せた豊富な文化遺産情報が公開されている。
 
●宇宙航空研究開発機構(JAXA)
http://jda.jaxa.jp/index_j.html
H-IIAなどのロケット、実験モジュール「きぼう」、衛星、探査機、国際宇宙ステーション、航空技術、スペースシャトルミッション、宇宙医学などが多数の写真と映像でデータベース化されている。月刊広報誌「NASDA NEWS」のPDFファイルや宇宙関連の法案等のデータ集「宇宙法」、8,500語あまりの宇宙開発関連の略語集もある。
 
●雲南未来博物館
http://www.ufm.jp/index.html
インターネット上の仮想博物館である。島根県の東南部に位置する3郡(10か町村)からなる雲南地域が、合併前のデータと各町村のわらべ歌、民話などをアーカイブしている。過疎化・高齢化が進む中山間地域の課題に対しての取り組み。「町村まるごとアーカイブ」「デジタル風土記〜雲南で生きる人と技」「雲南民話デジタル紙芝居」などがある。
 
●かごしまデジタルミュージアム
http://kagoshima.digital-museum.jp/
貴重な歴史・文化資産が数多く残る鹿児島市の画像データベース。美術品、考古資料、大学、人形、西郷隆盛ゆかりの品、明治維新ゆかりの品、彫刻・記念碑、伝統工芸品、自然遊歩道、文化財の画像が解説とともに掲載されている。MAP検索、分類検索、年代検索と3方法で検索でき、観光前に見ておくと有益なWebサイト。
 
●国際日本文化研究センター
http://www.nichibun.ac.jp/
江戸時代から明治期にかけての平安・京都を描いた「平安京都名所図会データベース」の高精細画像データベースがある。他にも「貴重書」「GIS考古学データベース」など、多数のデータベースを公開している。国際日本文化研究センターは、日本文化に関する国際的・学際的な総合研究、また世界の日本研究者に対しての研究協力を目的として設置されている。
 
●情報処理学会「コンピュータ博物館」
http://www.ipsj.or.jp/katsudou/museum/
わが国の1950年代から約40年間にわたるコンピュータの歴史が写真と解説によって紹介されている。各機種は「黎明期のコンピュータ」「メインフレーム」「スーパーコンピュータ」「オフィスコンピュータ」「ミニコンピュータ」「ワークステーション・ Lispマシン」「パーソナルコンピュータ」「日本語ワードプロセッサ」「周辺機器」のカテゴリ別に配置され、歴史的なコンピュータの情報を保管している。
 
●体験伝達メディア LIFE SLICE
http://www.lifeslice.net/
1分〜60分間隔での自動インターバル撮影で日々の生活を撮影し、ブログに公開している。体の前に取り付けたデジタルカメラによって、写真日記が無意識のうちに毎日記録更新される個人写真アーカイブ。ブログがデジタルアーカイブに関与した一事例である。写真の画質はよくないが大量の画像を一覧することで、その人の特徴などが見えてくる。
 
●デジタル・サイエンス&カルチャー・ミュージアム
http://www.s-a-station.org/
1つは、大学などに蓄積された自然科学や人文科学に関する最先端の情報を10分程度のビデオにまとめた「サイエンス&アートの試み」など、30アーカイブを公開。2つめは、高等学校、中学校、小学校の授業において、先生が補助教材として使用するための素材コンテンツを公開している。シンプルなデザインのWebサイトである。
 
●文化遺産オンライン
http://bunka.nii.ac.jp/jp/
わが国の文化遺産の総覧をインターネット上で実現するため、全国の博物館・美術館・関係団体等の参加を促し、文化遺産のポータルサイトを構築している。参加館がまだ少なく画像は多くはないがコンテンツに優れた作品が多い。数は増えていくことを期待したい。「時代から探す」「分野から探す」「地域から探す」など検索方法が3つある。
 
●雄松堂ヴァーチャル展示館
http://www.rarebook-yushodo.jp/
西洋古書のデジタルアーカイブがある。古書を読む楽しみを味わえるようWebデザインがシンプルに構成されている。「不思議の国のアリス」「ニュルンべルク年代記」「挿絵本」「園芸」「児童書」など、リアリティある美しい本の表現で見ていて楽しい。落ち着いた雰囲気で奥行きのあるヴァーチャル展示館。古書というものを身近に感じさせる。
 
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