2002年9月度(第2回)DCAjセミナー実施報告
 

進化したCD-ROM、ID付ディスクがもたらす
インターネット時代の新たな世界

 
 

 9月19日(木)午後3時〜5時、DCAj会議室において、標記セミナーが開催された。

当日はコンテンツ制作に関わる方約40名が参加され、プレゼンテーションとデモンストーションの後に活発な質疑応答があった。

副テーマと講師:
  PCネット時代におけるIDとID付ディスク
    ソニー株式会社 ディスク事業推進部 金田 頼明
  Postscribed ID の技術概要の制作ツール
    株式会社ソニー・ディスクテクノロジー 技術部 斎藤 昭也
  Postscribed IDの用途例
    ソニー株式会社 ディスク事業推進部 金指 匠

 PCがインターネットに接続され、一般家庭で電子メール、情報収集、買い物などで日常的に使われる時代になっています。これらの道具をより広く使いやすくするため、IPV6をはじめとして個々に対しサービスや管理の充実が計られていますが、いままでリッチコンテンツの媒体となりモバイル性の良いCD-ROMにはその概念がありませんでした。今年、5月末にソニー株式会社から発表されたPostscribed ID は量産されたディスク一枚毎に個別データの後書きを可能とした画期的な技術です。
今回のセミナーで、ネット時代のCD-ROM 環境、Postscribed IDの技術とその利用例についてお話しいただいた。

 CD-ROMは一般生活に身近な媒体としてデータベース、リファレンス図書、PCソフトウェア、ゲームソフト、各種雑誌の付録、プロモーションに多く使われているのは周知のことで、近年に至っては、駅周辺でのポケットティシュ配布の替わりに使われることも珍しくなくなってきました。その特長は、最大680Mバイトのデータが高転送レートで扱える安価なメディアであるのは勿論として、CD-ROMが読めるドライブの装着率が極めて高く、メディアとして高い信頼性と互換性の下に簡単に扱える環境が整っていることです。
 最近はインターネットを使うことが常識の世界になっていますが、まだまだダイヤルアップでの接続や日常の移動先でもネット接続が困難な状況が多くあり、誰でもが簡単にネット常時接続で使う環境を実現するのは困難です。そのような場合でもCD-ROMドライブ付きのPCさえあればCD-ROMからの情報は見ることが可能で、オフラインでの情報提供や学習に最適なメディアです。
 昨今、ADSLの普及が進んでいます。ホームページのアクセス時間を心地よいスピードで見たり、低画質動画を見たりするには便利ですが、リアルタイム性を求めながら680Mバイトのデータを高速転送レートで扱うにはCD-ROMに利があるようです。最近の高速CD-ROMドライブは、最大で30Mから60Mbps最悪の条件でも、10Mから20Mbpsの伝送速度が必ず確保されMPEG-2クラスの動画データの転送も容易に扱えます。
 この程、開発されたPostscribed IDはCD-ROMそのものが持っている特長に加え、シリアルナンバを用いデータ管理や懸賞の用途、識別コードやIDナンバーを後書きしメンバーシップ管理やマーケット用データベースの用途、お客さまが定義するデータを後書きしパーソナライズなサービスの用途、キー情報として用いコンテンツの開示管理などの用途に広がります。Postscribed IDは、PCとCD-ROMドライブのみで機能限定した用途からネットに接続して認証や履歴を管理するサーバと有機的に結び付けた様々な用途への展開が可能となる、まさにPCやインターネットの普及した環境にさまざまな用途を提案する進化したメディアであると言えます。
 Postscribed IDは、大量生産されたCD-ROMディスク一枚ごとにディスク製造工場で、個別情報を記録することができる画期的な技術で,高出力半導体レーザとレーザ加工に対応可能な特殊反射膜を採用することで実現しました。コーディングはPostscribed ID専用に開発したアルゴリズムを用いているので、Explorer などで読めない構造になっており、ROMドライブのあるディスクのファイルを見る操作でPostscribed IDを直接読むことができないのが特長です。
 追記できるデータは3種類用意されています。「ベーシック」は自動生成コードで、タイトル内でユニークなナンバーが書き込まれます。「スタンダード」は完全に管理されたコードで、全てのCD-ROMに対してユニークなナンバーを振ります。「カスタム」はデータ領域をROM制作側で自由定義ができるサービスで、制作側で書き込むデータを準備してマスターに添付する必要があります。「カスタム」は、現在16バイトと32バイトのデータ長ですが将来拡張する予定です。
 Postscribed IDのデータは、CD-ROM規格(イエローブック、モード2 フォーム2)に準拠しているので、イエローブックが読める殆どのドライブで読み取ることができ高い読み取り互換性をもっています。対応しているOSは、Windows ME/NT 4/2000/XP(Windows 95/98)で、Macintoshのサーポートは2003年初頭を予定しています。

 マスターの制作には、オリジナルのコンテンツに加え、CD-ROMに書かれるPostscribed IDのデータを読み取りプログラムと読み取ったデータを利用するプログラムが必要になります。
 オリジナルのコンテンツは通常のCD-ROM制作に必要な汎用ツールを用いて制作しますが、コンテンツからPostscribed IDの読み取るために、「ベーシック」、「スタンダード」、「カスタム」それぞれに対応したMicrosoft Visual C++ 6.0用とBorland C++ Builder 5用のライブラリとマニュアルなるパッケージを開発者キットとして提供します。
 開発者キットの入手に関しては、info@postscribedid.comまでお問い合わせください。

 Postscribed IDはいろいろな使い道が考えられますが、非ネット接続の利用ではPCソフトウェア時に入力する特別なコードを予めPostscribed IDの「カスタム」を用いて書き込んでおき、ソフトウェアのインストールを簡便にし、再インストール時にマニュアルに同梱されている個々のコードが書かれた紙をなくしても再度インストールが可能になると言った単純な用途から、会員情報の配布で配布対象と配布番号を予め関連付け、会員対象別に見せる内容を管理するメニューコントロール機能として用いられることが考えられます。ネットに接続した用途では、CD-ROMの企画制作に基づいたサーバを準備し、Postscribed IDを懸賞の抽選番号して懸賞管理サーバとリンクし籤を実現する用途、キー情報として認証サーバとリンクしてディスク上にあるコンテンツのビューワー管理やコピー管理を実現する用途、Postscribed ID 情報とパスワードや個人情報から新たな認証鍵をサーバで作成配布しネット購買用ディスクからの買い物で個人認証のセキュリティーを向上させる用途、Postscribed IDを学習者に割り付けておき学習者が自宅・会社・学校・出張先などどのような場所でも学習履歴をサーバに送りで進捗状況を管理する用途などが考えられます。
 これらはPostscribed ID を利用するほんの一例です。良い技術を業務活動や一般生活に活用してもらうためには、市場の要望を聞きながら改善改良を進めてゆく必要があると考えています。今後、ディスク製造関連以外で要望点等がありましたら、info@postscribedid.comまでご連絡ください。Postscribed ID の英語・日本語ホームページもwww.postscribedid.comに開設してありますので、ご参考にご覧いただけば幸いです。