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白根禮吉 氏 マルチメディアグランプリ |
今回は人物表彰の方も大変競争が激しく、どなたがグランプリを受賞されてもおかしくない、という状況でした。MMCAアーチスト賞の島村達雄さんは、伝統的なアニメの手法の蓄積の上に先端技術を駆使して、アニメーション映画やマルチスクリーン、巨大ドームスクリーンなどの映像、コンピュータアニメーション、TV-CM作品を多数手がけられ、感性豊かな内容とクオリティーの高さが評価されました。もう一人のアーチスト賞、林田宏之さんは、3DCGアーチストとして数々のTV-CMを制作しておられますが、オリジナル作品の「遊戯教室」が、アメリカのSIGGRAPH96でエレクトロニック・シアターに入選するなど、独創的な作風が高く評価され、世界的なアーチストとして今後の活躍が期待されています。MMCA技術賞の、富士通(株)TEO制作技術チームは「TEO―もうひとつの地球―フィンフィン」という作品で、パソコンの中の架空の惑星TEOで生きる架空の生物フィンフィン(空飛ぶイルカ)を中心とした生き物たちとの“交信”を、新たに開発した視聴覚センサーで可能にしています。人工生命・人工知能・リアルタイムCGなど高度なシステム開発への努力と成果が評価されました。MMCA特別賞の村井純さんは、80年代前半からコンピュータ・ネットワークの実証的研究に取り組み、学術ネットワークJUNETをスタートさせて、日本のインターネットの基礎を築かれました。また、大規模広域ネットワークの研究を行うWIDEプロジェクトを設立、さらにインターネット1996ワールドエキスポを発足して日本実行委員長を務めるなど、日本のネットワーク・コンピューティングの普及と振興に大きな業績を残されました。もう一つの特別賞「INDUSTRIAL LIGHT&MAGIC」社は、75年にジョージ・ルーカス氏によって設立されて以来、「スターウォーズ」「E・T」「バック トゥ ザ フューチャー」「インディージョーンズ」「ダイハード」「ターミネーター」「ジュラシックパーク」「フォレストガンプ」「ジュマンジ」など、映像におけるエフェクト技術で世界の最先端に位置し、アカデミー賞も20回以上受賞するなど、映画史に残る業績が高く評価されました。
そして、マルチメディアグランプリ・MMCA会長賞に選ばれた映画監督の押井守さんは、最先端のデジタル技術を使って、アニメーションを中心とした映画の製作を続けておられます。日本のアニメーションは、ジャパニメーションという造語を生むほど世界的に高く評価されています。そのトップバッターである押井さんの「GHOST IN THE SHELLー攻殻機動隊ー」は、95年に日米英で同時劇場公開されましたが、96年8月にアメリカ「ビルボード」誌のホームビデオ部門でヒットチャート1位に輝きました。日本のエンターテインメントコンテンツとしては、故坂本九氏の「上を向いて歩こう(スキヤキ)」以来、映像分野では初めての快挙です。これは、映像のデジタル化に力を尽くしてこられた押井さんの真摯な取り組みと実績の結実であり、技術や表現だけではなく、日本のアニメーションを名実ともに世界一にした功績は特筆に価するものです。
受賞された方々にお祝いを申し上げるとともに、今後ともますます活躍され、世界のデジタルコンテンツの発展に寄与されることを願います。