Multimedia Grand Prix'96


浜野保樹 氏

放送教育開発センター 助教授

 今年の応募数は150点で、昨年の216点から減少しましたが、かなり絞り込んでの応募がみられたり、作品の制作・発表の時期(応募資格)について厳正に対処したので、非常に高いレベルの競争となりました。その激烈な競争を勝ち抜いて部門最優秀賞、さらにマルチメディアグランプリ・通商産業大臣賞を獲得した「スーパーマリオ64」は、内容のすばらしさ、先進技術の質の高さ、ともに他を圧倒しました。このソフトのために開発したという64ビットゲーム機「NINTENDO64」に初めて採用された3Dスティックによって、3次元空間を“自在に”動き回り飛び回る自由度の高さは、インタラクティブな新しい3次元表現を確立しました。マルチメディアコンテンツの今後に、一つの方向性を示した功績は非常に大きいと言えます。
 全体については、今年の作品の傾向は大きく二つに分かれました。まず一つは、「バイオ ハザード」「SeesawC1 my favorite things すきなものだけえいたんご120」「キネマの世紀〜松竹映画のあゆみ〜」「前略、京都より。」「1.17NOTE―'95阪神大震災。その時、都市インフラに何が起こったか。―」といった、そのジャンルにおいて完成度の高い、インターフェイスも、デザインも、情報量も、データとしても非常に優れた作品群があります。二つめは、「ニルヴァーナ」「Pop Up Maker」「SweepStation DEPTH」といった、ユーザーに表現を誘うような、実験的なものです。このような、完成度が高くユーザーを楽しませるものと、ユーザーの表現を誘うものとの二分化は、パッケージ部門の今後のあり方に大きな示唆を与えてくれたと思います。
 選にもれた作品にも、非常に高い評価を受けたものが数多くありましたが、残念ながら賞の数に制限があるため、このような結果となりました。来年も、高いレベルでの作品の審査をしたいと審査委員一同楽しみにしていますので、奮ってのご応募を願っております。